異色連載スタートします。
今週から日曜日を担当します、元SCRAPスタッフのnaomiです。元といいつつ、本スタッフだった学生時代よりSCRAPに関わってる少し変なメガネです。みなさま、以後どうぞよろしく。
さてさて突然ですが私、間取りを愛する自称間取りストなのです。mixiのコミュでは会員数8万を超える、メジャーなのかマニアックなのか分からない人種、間取りスト。(詳しくはググッて下さい。めんどくさいので)そんな私たちのバイブルとされている本『間取りの手帖』(佐藤和歌子著・リトルモア)への敬愛を示すため、この連載を始めます。最初に言っときます。他のに比べて長いです。
room01 彼女の秘密
行きつけのパン屋さんで働く裕子と付き合って半年。明るい性格で誰にでも優しく、なにより笑顔が素敵な彼女。少し天然なところもかわいくて、フリーターでフラフラしている俺なんかにはもったいない女の子だ。
でも、ひとつだけ不満がある。それは、一人暮らしにも関わらず、彼女が家に入れてくれないことだ。遊びに来るのも俺の家ばかりで、デートの帰りに送り届けるときも、マンションの下で「じゃ、ここで」なんて言われてしまう。まさか他の男と住んでいるのか?いや、裕子に限ってそんなことは…。
悩むことにも疲れてしまった俺は、デートの帰り、いつものようにマンションに入ろうとする裕子の腕を掴んだ。
「!? どうしたの?」
「あ…ごめん。・・・」
「・・・?」
「あ、あのさ、お願いがあるんだけど」
「え?なに?」
「へ、部屋に入れてくれないか!?」
「え…!」
明らかに動揺する彼女。やはりなにかあるに違いない。
「い、いま散らかってて、また今度…」
「嘘だ! 俺の部屋まで片付けるほどキレイ好きじゃないか!! それとも、俺に何か隠し事でもあるのか!?」
「そんなことは…」
「じゃあ入れてくれたっていいじゃないか!! 」
そんなやり取りが数分続いた後、観念したかのように裕子がため息を吐いた。
「…わかったわ。でも驚かないでね」
薄暗いエレベーターで3Fまで上がり、東角にある303号室のドアを開けた。そして玄関に一歩足を踏み入れ、俺はその非現実的な光景に呆然とした。なんと、便器がその姿をさらけ出しており、また全面がガラス張りのワンルームからは街のネオンが光り輝いているのが見える。
「え…?トイレ…?」
思わず口からその言葉が漏れていた。
「だからいったでしょう。驚かないでねって。・・・私、実小学生のときにクラスのリーダー格の女の子にいじめられていて、トイレに一晩閉じ込められたことがあるの。それから閉所恐怖症になってしまって。誰かと一緒に居るときは大丈夫なんだけど、一人だと怖くて…。この部屋みたいにすべてが見えていないと、不安なの。この部屋にいても不安になるときがあるんだけどね…」
いつも明るく振舞っている彼女にそんな過去があったなんて。俺は彼女をそっと抱き寄せた。そして決意した。
「俺もこの部屋に住むよ」
「え・・・?だってとても不便よ。キッチンも収納もないし、簡単なシャワールームしかないし。それに、トイレが見えているし…」
「いいんだ。俺がいれば、少なくとも恐怖心はなくなるだろう?それに・・・」
「?」
「裕子とは、何も包み隠さず自然体で付き合いたいんだ」
そうして、俺はこの部屋に移り住んだ。将来、裕子と結婚するため就職活動も始めた。もちろん、二人で住むには少しばかり狭いが、それでも俺たちは幸せに暮らしている。
********
・・・はい。みなさんついてきてますかー?ぼんやりしてたらほっていきますよー。
てな感じで連載して参ります。あ、今回はmixiコミよりひろってきましたが、おもしろ間取り募集中です。それみてストーリー考えます。info@scrapmagazine.comまでお気軽に。
はあ。こりゃしばらく彼氏できんな。
(naomi)















