世界の民族音楽 第一音

世界の民族音楽

毎週木曜日は「世界の音楽」改め「世界の民族音楽」!!
というわけで担当の弐階堂です、こんばんは。

この「世界の民族音楽」では毎週どこかの国の民族楽器を一つ紹介して、
その音色やその国に根付く独自の音楽などを楽しんでもらえればと思うのですが、
今回は最初ということもありますので、なぜ民族音楽なのか、民族音楽の面白さって何、
という若干オカタいっちゃオカタい話を、具体的な音楽をまじえつつ紹介したいと存じます。

我々が日常接する音楽の99%、いや、100%といってもほぼ過言ではないですが、
99%は西洋音楽の理論に基づいて作られているものです。
ハ長調がどうしたとか。3拍子は強弱弱だとか。根っこは共通しています。
ですから、我々が「これいい曲や~」と感じるものも、それはあくまで
「西洋音楽的に美しい音楽だ」、という但し書きがついていることが多いです。

で、世界の民族音楽を聴いてみると、
もう西洋音楽的には全く駄目、こんなん音楽じゃねえ、
とブチ切れられてもおかしくないような音楽というのがいっぱいありまして。
例えばリズムのない音楽
これは西洋音楽の中でもメリスマ技法とかと言われ、グレゴリオ聖歌なんかには
使われているんですけども、それでも全体としてはかなり少数で、例外的です。
一方アジアを見てみると、
西はイランから、インド、モンゴル、東は日本まで各地に同種の音楽があります。
んで、結構このなんていうんですかね、シルクロード文化圏とでもいいましょうか、
シルクロード文化圏の音楽には、結構な共通点がありましてね。
日本の音楽と一番似ているのは意外にペルシア音楽だったりするんです。
このへんを詳細に調べていくと、色んな繋がりが見えて結構楽しいんですけどね。
ちょっと実際の音を聞いてみましょう。
ペルシアのアーヴァーズ
モンゴルのオルティン・ドー
日本の江差追分
みなそれぞれ微妙に違うのですが、聞いた感じではかなり似ています。
一つの音符の長さを歌い手が自由に伸ばしたり縮めたりするという点。
それから、演歌の「こぶし」のような感じで、音程を自由自在に変えたり、
同じ音を歌い続けながらも時々「ァアァ~」みたいな感じで、装飾音を入れてみたり。
そういう点で共通する音楽がアジアには大変多いです。
んで、西洋音楽に慣れた耳からすると、「ダラダラしてる」「定まったリズムがなくて不安」
といったような感想をつい持ってしまいやすいというか、まあ持って当然なのですけども、
その地域の人としてはむしろこれがいい音楽なんだという認識があるんですね。
こういう形式の「美しさ」というのもありえるということです。

音程に関しても西洋と西洋以外ではだいぶ違いがありまして。
西洋だと、1オクターブ、1200セントの音域を12等分した、十二平均律が基準です。
簡単に言えば、十二の半音階(ミとファの間)で1オクターブが出来ているわけですが、
アジア、特に西アジアではそれよりさらに細かい音程に分かれています。
これを微分音というんですけどもね。
微分音も、西洋音楽では20世紀に入ってから実際に使われたりしていますが、
それはあくまで民族音楽の要素を取り入れようとした結果と考えられています。

アラブ文化圏においては4分の1音、半音のさらに半分の音というのもよく使われますし、
トルコになるとなんと9分の1音を使うんですね。9分の1。
だからもう西洋音楽とはかなり相容れない部分があります。
ドとレの間に8つの音があるわけですから。そしてそのどの一つとしてド#とは違う。
その独特な音階によって、トルコ特有のなんともいえぬ妖しさみたいなのが出ます。
これも文で書いても分かりにくいので実際の音楽をひとつ載せておきましょう。
トルコ・サズの音楽
この微妙な音程の移動というのがまあ慣れてくると非常に気持ちいいのでして。
ちなみに、9分の1音といっても間の8つを全部使うわけではなく、
9分の1と9分の4と9分の5とか、詳細は忘れましたけど、3つほどをよく使います。
ちゃんとそれ専用のシャープが開発されてたりしましてね。
タテ1本ヨコ3本のシャープ記号とかが楽譜に書かれてるそうですよ。
楽器もその9分の1音階にしたがって作られていて、上の動画の楽器は
サズもしくはバーラマというんですが、フレットがラ+9分の4のとこについてたり。
アラブはアラブで、4分の1音が出るように改造したピアノがあるらしいですね。
鍵盤がなんか二段あって、上は全部4分の1音ずつ高いとか、そういうピアノです。

おもしろいことに、この微分音音楽を西洋音楽をきちんと勉強した人に聞かせると
「なんだこの音程は!気持ち悪い!やはりアジアというのは文化程度がうんぬん」
というような反応が多かった(最近はそうでもないらしい)けども、
ふと同じ曲を流していて、庭で仕事をしていた植木屋さんが「今の曲、いいねぇ」
とか言ってくれることがあったそうです。
西洋音楽を勉強した人よりも勉強していない人の方がむしろ分かるという。

こんな風に、民族音楽を見ていくと、「ありえねえ!」というものがどんどん出てきます。
楽器に関してもそれは同じことがいえまして、
まさかこんなものを楽器に使うとは、という楽器がたくさんあります。
骨とか爪とかね。水の入った茶碗とかも使います。
最初はまあ物珍しさとか興味本位から民族音楽を楽しむ、というのもいいんですが、
聴きこんで追求するにつれ、個々の民族音楽の中にも西洋音楽と同じぐらいに
理論と厳しい美の追求があり、一つの立派な音楽なんだ、ということが分かり、
耳の許容範囲が徐々に広がっていきます。
それと同時に、音楽の境界線を見失ってしまいます。
どっからどこまでが音楽でどれが美しい音楽でどれが美しくないのか?
そんな当たり前のことがかなりあやふやになります。
そして「音楽って何やろ?」という疑問が自然と浮かぶ。
そっからがまたさらに面白くなってきまして、ただ聴くだけでなく、民族音楽を通じて、
いま自分が聞いてる音楽ってどうなん?とか、
これからの音楽ってどんなんがいいんやろ?とか。
そんなことをこの連載で考えていけたらいいのでは、と思います。

少々やっぱりオカタくなってしまいましたが、今日はこんなとこで。
次回からはもっと楽しくいきたいですね。あーいやどうかな。たぶんこんなテンションです。
まあ、タイトルからしてちょっと他から浮いてますからね。
木曜日はこういう曜日だ、ということでよろしくお願いいたします。
明日は「スナックキャロル」の日ですね。
フジタママの人生相談が聞けちゃいますよ。お悩みの方は是非ご覧ください!

このエントリーをはてなブックマークに追加
はてなブックマーク - 世界の民族音楽 第一音
Bookmark this on Delicious
Post to Google Buzz
Bookmark this on Yahoo Bookmark
Bookmark this on Livedoor Clip
Share on FriendFeed

連載まとめ読み ~SCRAPブログの正しい読み方~


  • バックナンバー販売! フリーペーパーなのに
    バックナンバー販売します。

    京都に来られない地方の方にはなんと販売してしまおうという大胆不敵!各号在庫がなくなり次第販売終了となります。おっ早めにー

  • ボランティアスタッフ募集 ボランティアスタッフ募集

    人の力が必要なのです。「なに?なに?おもしろそう!」となんにでも興味をもってくれる人募集中!あなたの意見が、社の方針を変えるかも!?

  • スクラップのグッズ スクラップのグッズ

    失恋回復手帳とか、ナゾトキCDとか、社歌とか、なんの共通点もないけれど、全部SCRAPグッズ!ぜーんぶ絶賛発売中!

  • Wedding SCRAP Wedding SCRAP

    あなたの結婚式に“不思議”はいりませんか?参加者全員に「楽しかった!」と行っていただけるような仕掛け。SCRAPが一緒なら実現できます。

  • 広告・スポンサー募集 広告・スポンサー募集

    広告絶賛募集中!謎イベントが好きな層には絶大な影響力あり〼。イベントの協賛、スポンサーは毎日首を長くして待っております。

  • © SCRAP All Rights Reserved. Privacy Policy

    Site design:Marble.co