世界民音 第三音 「あの人、シタールしたはるわ」

どうも!
おととい手に入ったトルコの打楽器を叩くのが楽しすぎて、
今週も落としてしまいそうな勢いの弐階堂です。
あかんあかん。先週はどうもすいませんでした。
いや、でも本当に楽器は楽しみの器でして、ついついやってて時間を忘れますよ。
その楽しさを伝えるべく、今週もがんばってお送りする次第でございます。
さて、今週からはしばらくインド音楽編が続きますが、
前半で楽器の紹介をし、後半で音楽の紹介という形になります。
で、今回の楽器は!といいますと・・・
北インドの弦楽器、
シタールです!
民族楽器の中でもかなり有名な存在のシタール。
ビートルズのジョージ・ハリスンが激ハマりして、『ノルウェイの森』という曲中でシタールを使用したことで、世界的に有名になりました。
他にも『Within You Without You』という曲は、かなりインド的要素を取り入れており、ビートルズの曲とは信じがたいぐらいです。
いかにこの頃のジョージ・ハリスンがインド音楽に影響を受けていたか、ということを示す証拠ですね。
ロックと民族音楽の関連を見ていくと非常に面白いのですが、
またそれはいずれ機会のあるときに、よく調べてから話します。
シタールがどんな音か、まずは聴いてみましょう。
下の動画は、世界的シタール奏者ラヴィ・シャンカルの演奏で、
ジョージ・ハリスンにシタールを教えたのもシャンカルです。
ウッドストックフェスに出たこともあり、割と西洋音楽とジャンルを超えた活動を行う人です。
ラヴィ・シャンカルのシタール演奏
最初からミョーンミョーンと鳴ってるのはシタールでなく、
タンプーラという楽器で、簡単に言うと通奏低音楽器です。
シタールはしばらくしてから鳴り出す、なんとも甘い響きのするメロディー楽器ですね。
指につけた鉄製の爪で弾いて演奏します。
弦が全部で19本ぐらい(流派により違う)あり、一見すごく複雑な楽器なんですが、
実際にメロディーを演奏するのは1本だけで、その上を目まぐるしく手が動きます。
ほかの弦は伴奏用としてたまに弾いたり、共鳴弦として音を増幅させたりするためのもの。
シタールの音量が大きく、豊かな倍音が出るのはその共鳴弦と胴のおかげです。
共鳴弦というのは見慣れない言葉ですが、
簡単に言えばメロディーで鳴った音に共鳴して振動する弦です。
インドの弦楽器にはしばしば共鳴弦がついていて、深い音色を持つ楽器が多いです。
これは他の国ではあまり見られない、インドならではの弦楽器の作り方で、
そのぶんチューニングする弦が多くて、チューニングから一苦労だそうですが。
さて、ではそのシタールはどのようにして即興演奏を行うのか。
という話をするために後半に入ります。
前回のおさらいをいたしますと、インド音楽が即興ながらまとまりがあるのは、
「ラーガ」という、旋律に関するルールと、
「ターラ」という、リズムに関するルールの2つがあるから、ですね。
そして今回はその「ラーガ」についてご紹介したいと思います。
「ラーガ」というのは旋律に関するルールです。
これは西洋の音階、ハ長調とかとは多少性質の違うもので、
どの音を主音として使うか、ということ以上の制約があります。
ラーガが規定するのは、使う音に加えて、
「使う時間帯」「強調する音・その次に大事な音」
「短いメロディーのパターン」「音の動き」といったものを規定します。
なかでも、「使う時間帯」が決められているという話はとても特徴的で、
それぞれのラーガに、「朝のラーガ」「昼のラーガ」といった風に、
演奏されるべき時間帯があります。
西洋でいえば、夜はニ長調の曲を演奏しちゃダメ!とかいうとんでもない話になりますが、
インドではそれがむしろ普通です。
インド人の耳には、インド人なりの「朝」「昼」「夜」の音の共通イメージはできていて、
それ以外のラーガを使われるとどうもしっくり来ない、というのはあるらしいです。
コンサートでは便宜上、時間帯と無関係にやるとこも増えてきているようですが。
ちなみに、ラーガは季節や天候なんかも考慮します。
春のラーガというのもあれば、達人が演奏すると雨が降るという伝説のラーガもあります。
あとまあ、王様がお昼に夜のラーガを演奏しろと言って、達人に演奏させたら、
本当に夜になってしまったとかいう伝説もありますし。
時間帯とラーガは密接に結びついています。
実際に時間帯によってどんな雰囲気なのかは、聴くのが一番わかりやすいですね。
多少なりともラーガによる違いを感じてもらえたら幸いです。
ラーガ・バイラヴィ:朝のラーガ。「バイラヴィ」は「苦行者」を意味します。
向こうの人にとって「朝」のイメージは、お香を焚いてお祈りするシーン、だそうですが。
そう思って聴くとそんな感じがしてくるので不思議です。
ラーガ・ビハーグ:夜のラーガ。由来はわかりません。
優美で官能的な愛を表現し、聴く者をうっとりさせる美しいラーガです。
ラーガ・ジンジョーティー:同じく夜のラーガ。
民謡によく使われるラーガだそうで、上2つに比べてどこか楽しそうな雰囲気があります。
演奏者はこの、それぞれのラーガが持つ雰囲気、美しさ、個性、
そういったものをうまく引き出すことを目指して演奏するわけです。
そうそう、西洋音階は途中で転調、コード進行などが行われますが、
インド音楽においては一つの曲中、ずっと一つのラーガで演奏するのが普通です。
一つのラーガの個性を余すところなく表現できるのが、一流の演奏者といえましょう。
まだまだ書こうと思えば山ほど書けるのですが、
これ以上書くとどこまでも書いてしまいそうで終わらなくなるので、
最後にタイトルどおり、シタールをしたはる人の紹介をして終わろうと思います。
インド人で有名な奏者をあげておきますと、
Ravi Shankar, Nikhil Banerjee, Shujaat Khanといった奏者の名前を
Youtubeなどで検索すると、数々の名演が聴けて楽しいです。
また、実際の生演奏を聴いてみたいという人は、
関西ですと田中峰彦さんや、石濱匡雄さんといった方が活躍されていますので、
そちらのライヴに是非行ってみてください。
生であの響きを聞くと、より音色にうっとりできること請け合いです!
では!
以上、文章を短くまとめる方法を知りたい弐階堂でした。
明日はスナックキャロルですね。そういやバーにも行きたい弐階堂です。
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いままでの記事
2010-4-22 第一音 「民族音楽の魅力」
2010-4-29 第二音 「哲学の極致、インド古典音楽」


















