世界民音 第五音 「インド人のツボ」

どうも、弐階堂のアフタースクールです。
今週のオススメ公演をご紹介!
5/28 シヴクマール・シャルマ来日コンサート@神戸・うはらホール
世界最高峰のサントゥール奏者、あのシヴクマール・シャルマが、ついに親子で来日!
ピアノの祖先とされる今最も激アツな楽器、
サントゥールできらびやかな珠玉の旋律を繰り出すシャルマ親子!
こいつに行かずに今のインド音楽界は語れませんよ!
5/29 「インド音楽と中近東リズム」@烏丸五条 KITTEN COMPANY
世界で最も難しい弦楽器、サーランギ、同じく最も難しいと言われる太鼓、タブラ!
そしてそこに中近東リズムの雄、ダラブッカが参戦!
三者三様のリズムと旋律を奏でながら作り上げる音楽世界は必見!
・・・うそです。
いつもどおり弐階堂の『世界の民族音楽』です。
あ、でもライブの情報は本当ですよ。興味をもたれた方はぜひぜひ行ってください。
さて、今日の楽器は、上で紹介したサントゥールやサーランギを紹介してもいいんですが、
どうせならライブレポも兼ねて来週やったほうがいいなと思いましたので、
今日はインドにあるさまざまなおもしろ楽器の話をいたします。
インドは楽器の宝庫といっていいほど様々な楽器がありまして、
たとえば日用品を楽器に転用したものがあります。
何回かこのブログの中でも言ってきましたが、茶碗を並べた楽器、ジャルタラン。
はい。単なる茶碗です。
大きさがちょっとずつ違う茶碗に水を入れて音程を調節。
あとは並べて棒で叩くだけという簡便すぎる楽器です。
しかしながらこれは演奏法によってはすごいことになります。
「おばあちゃん」+「茶碗」という、生活感しか感じない組み合わせから、こんな音楽が生まれます。
Ranjana Pradhan
動画を見ないで音だけ聞くと、まるで鉄琴か木琴のようです。
一見すごく簡単そうですが、これもインド音楽のルール「ラーガ」を
学んで演奏せねばなりませんので、ちゃんと習得の必要な楽器です。
扱いとしては打楽器ではなくてメロディー楽器です。
また、もう一個日用品が楽器に転用した例として、これも時々言ってきましたが、ガタム。
はい。ただの極彩色の壷ですね。
RPGで調べても「なにもないようだ」で済まされる壷です。
が、これもやっぱり達人が持つと違う。
Ghatam Solo
演奏法や理論がしっかりしてるからこそ、
こんなシンプルな楽器でも様々に叩き分けられるんですね。
なお、似た楽器にナイジェリアのウドゥというのがありまして、
こちらは壷の横っ腹に穴がもう一つ開いています。
これを使い分けて演奏しますが、ガタムとはぜんぜん別物だそうです。
演奏はコチラ。Udu Solo
音は小さいので、マイクで拾うそうですが、音がかわいらしいです。
ガタムもウドゥも、表面を叩くことでキレのいい高音が出て、
壷の口もしくは穴を叩くことで低音が出る仕組みになっています。
インドは楽器の宝庫と言われる理由のひとつが、
こうした庶民の楽器を古典音楽に取り入れてしまうことですが、もうひとつは
他民族の楽器をどんどん自分たちの音楽の中に取り入れてしまうことがあります。
たとえば、バイオリンは今ではインド古典音楽で正式な楽器として出てきますし、
日本の大正琴も「バンジョー」と名を変えて、今でもインドでは生き続けています。
日本で滅びてしまったものがインドで生き続けているとは、なんとも不思議ですが。
あるいは、楽器のエレキ化・改造も進んでいます。
インド音楽には「タンプーラ」という、
演奏中ずっと同じ音を鳴らし続ける楽器があるのですが、
これなんかは必ずしも人がやらなくてもいいので、マシン化が進んでいます。
iPhoneにも” iTanpura”というのが出ていて、これは結構リアルな音が出ますし遊べます。
あるいは、前回紹介したタブラも、タブラマシンというのが出ていて、
自由にパターンを再生することができます。これは練習用に使われるものですが。
いい音だと思えば、あるいは楽器として便利だと思えばどんどん取り入れていくのが
インド音楽界の大きな特徴です。
おそらく、音楽こそが彼らにとって最も大事なのであって、
音楽に比べれば何で演奏するかということは瑣末な問題なのでしょう。
だからといってインド人が楽器に対して適当な扱いをしている、というわけではないですが。
楽器を自由に使う傾向は、音楽を哲学的にとらえる南インドほど強いといいます。
民族音楽を演奏する人の多くは、しばしば民族楽器を使っているということ自体に
喜びを感じているのですが、それにとどまっていてはただの「民族楽器演奏者」です。
他の楽器、他の音楽にも通じるような「民族音楽奏者」がもっとたくさん現れれば、
もっと民族音楽はポップとも融合できるし、新しい音楽が生み出せるのではないか。
というようなことを、インドの楽器に対する考え方を見ていて思います。
さてさて、今日はここまでです。
明日はスナックキャロルです。
そしてシヴクマール・シャルマの来日公演!
明後日は間取りショートストーリーです。
そしてインド音楽と中近東リズム!
もし世界民音を見て行こうと思った方はsekaiminon@hotmail.co.jpまで!
なんと勢いでHotmailのアカウントまで作ってしまいましたが。
いや~、メール来たらかなり驚きますけどね。そうそうメールは来ないものらしいですし。
ご意見ご感想などもよろしくお願いします。紹介してほしい楽器なんかもお待ちしてます。
ではでは。
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いままでの記事
2010-4-22 第一音 「民族音楽の魅力」
2010-4-29 第二音 「哲学の極致、インド古典音楽」
2010-5-13 第三音 「あの人、シタールしたはるわ」
2010-5-20 第四音 「破門の危機と隣り合わせでお送りします」


















