世界民音 第七音 「イラン・テヘラン・ランランラン」

どうも、先週はお休みしてすいませんでした。弐階堂です。
完璧に記事を書こうとするあまり、ついあれこれ考えすぎて、結局載せられませんでした。
水曜日に載せるつもりで書いたほうがいいですね。〆切は早め早めに、です。
さて、今週からワールドカップが南アフリカで始まりまして、アフリカが今熱いですが、
そんな世の動向とは一切関係なく、今あえて西アジアが熱いと私は主張します。
いうことで予告どおり、今週から世界の民族音楽・西アジア編が始まります。
今回は初回なので、まずは西アジアについてだいたいのイメージを持ってもらうために、
おおよそどんな音楽性をもっていてどんな楽器があるか、という概要の話をいたしますね。
西アジアの伝統音楽というのは、おおまかにいって3つに分けられます。
ペルシアの音楽、トルコの音楽、そしてアラブの音楽。
そのアラブの中でも細かく見ていくと、西、中、東と3つに分けられますが、
おおまかにいえば上の3つです。
それぞれが相互に影響しあいつつも、かなり異なった音楽性を発展させており、
その違いがまた非常におもしろいです。
今日はとりあえず、ペルシア音楽を概説します。
ペルシア音楽
人類最古の理論的な音楽。西アジア音楽の祖と言ってもいいです。
むかし学校で習った四大文明といえばエジプト、メソポタミア、インダス、黄河ですが、
そのメソポタミア文明の時代から、今日から見ても驚くほど音楽理論が発展していました。
楽器も非常に発達しており、今我々が使っているような楽器の多くも、
ルーツをたどっていくと古代ペルシアの楽器に行き着きます。
琵琶や尺八、ギターやピアノまでもが、ペルシアに由来しています。
音楽性についていえば、ペルシア音楽の中で最も特徴的なのは、
「同じ旋律を二度と繰り返さない」ということでしょう。
我々がふだん耳にする音楽というのは大抵なんらかの形で繰り返しが入っています。
サビとか、ロンド形式とか、西洋音楽以外でもたいていの音楽には繰り返しがあります。
ところが、ペルシア音楽にはそれがなく、音の高さを少し上げたり下げたりして、
前と似ているけれども、前とまったく同じことは決してやらないのです。
小さい音から大きい音へ。ゆっくりなテンポからものすごく早いテンポへ。
とてもコントラストの強い音楽です。大波のような音楽です。
次にどう動くかがなかなか想像できない、聴いていて心地いい驚きがある音楽です。
そして、前と同じことはやらないということは、
今聴いた旋律は一曲の中では一度しか聴くことができないという、そのはかなさが、
独特の物悲しさや哀愁、あるいは感情的な激しさというものを生み出しています。
このはかなさ、コントラストの強さというのは日本音楽の中にもあり、
微分音程や、無拍のリズムなど、日本音楽と意外と共通点が多いというのも、
ペルシア音楽のひとつの特徴といえます。
なかなかいい音源が少ないので、というか、
西アジア系音楽をYoutubeで探していると、
ついに動画のタイトルがアラビア語で表示される世界に突入してしまい、
誰が何を演奏してるかが全く不明なので音源が探しにくいのですよ。
けどまあひとつふたついいペルシア音楽があったのでご紹介します。
こちらはタールという弦楽器の独奏。演奏者の表情にも注目。音質よし。
そしてこちらは、以前載せましたが、イランの歌曲、アーヴァーズ形式。美声です。
本当はトルコ音楽の話まで進みたかったのですが、
自分がトルコ音楽をやっている関係もあって、話がやたら長くなりそうなので
また次回にまわします。トルコ・アラブはリズムがおもしろいですよ。
最後にひとつイベントのお知らせがありまして、今週末の日曜!6月20日!
大阪にあります国立民族学博物館で「音楽の祭日2010 in みんぱく」が行われます!
このイベント、世界のさまざまな地域の楽器と音楽の生演奏が無料で聴けちゃいます!
実際に聴いてみたい人や楽器に触ってみたい人、日曜ヒマな人は是非お越し下さい!
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いままでの記事
2010-4-22 第一音 「民族音楽の魅力」
2010-4-29 第二音 「哲学の極致、インド古典音楽」
2010-5-13 第三音 「あの人、シタールしたはるわ」
2010-5-20 第四音 「破門の危機と隣り合わせでお送りします」
2010-5-27 第五音 「インド人のツボ」
2010-6-3 第六音 「野外クラシックフェス」


















