世界民音 第九音 「メフテルおじさんに捧ぐ」

世界の民族音楽
どうも。
割と隔週更新になっていることに危機感を感じている弐階堂です。すみません。
黒マントを着てダラブッカを叩いたり黒マントを着ずにダラブッカを叩いたりして
日常を送っております。マントを着たのはプロポーズ大作戦がたぶん初めてですが。
今週の世界の民族音楽はトルコについて。画像はトルコ軍楽隊。ちょーカラフル。
mehter_march1

トルコ音楽
「トルコ」の「音楽」といえば真っ先に出てくるのが
「トルコ行進曲」ですね。
がまあ、あれはモーツァルトがトルコの軍楽隊に影響を受けて作ったもので、
もちろんトルコの音楽ではありません。
1529年、1683年にウィーン包囲という、クラシックの都ウィーンをトルコ軍が包囲する、
という事件がありまして、ウィーンは四面楚歌ならぬ四面トルコ歌という状況でした。
その妙に明るい、異国情緒の音楽は相当なインパクトを与えたようで、
18世紀になると一種のトルコブームがヨーロッパで起きました。
その際に作られたのがトルコ行進曲です。
では、楽聖モーツァルトにも影響を与えたトルコ軍楽とはどんなものだったのか。

軍楽というのはまあ太古の昔からありまして、
楽器としてはもっぱら大きくてよく響く音の出る、太鼓や笛が用いられました。
弦楽器は滅多に使いません。エレキギターとかそりゃぁ大きい音は出ますけれども。
なので弦楽器はしばしば平和の象徴なんて言われたりもしますね。
てなことをいうと吹奏楽者や打楽器奏者に怒られますが。というか自分も打楽器ですが。
現代の軍楽隊の編成というのは、おおむねヨーロッパ式のものに由来していて、
そのヨーロッパ軍楽隊は何に由来するかというとトルコ軍楽隊なのですね。
というわけでブラスバンド部はトルコ軍楽に通じるわけです、極端なことをいえば。
そしてトルコ軍は世界で初めて、きちんとした軍楽隊を持った軍隊であると言われており、
その音楽も意外と音楽としてちゃんと聴けるものです。

軍楽の目的というのは、ひとつには行動を指示するというのがあります。
一斉突撃の合図とか退却の合図とか。
そしてもうひとつに、士気を上げるという目的があります。
となると当然、勇壮で、ノリのいい音楽が求められるのですね。
私が一番好きなのは「ジェッディン・デディン」という曲で、
3日間ぐらいしばらくこの音が脳裏から離れなかったことがあります。
確かに勇壮な感じの曲ですね。日本のCMに使われたこともあります。
動画を見てもらえればおおむね軍楽隊の感じがわかってもらえると思いますが、
肩にかけた大太鼓(ダヴル)、シンバル(ジル)、そしてラッパ(ズルナ)が使われています。
あと、はっきりと写ってませんが、馬の首に縄をかけて、腹の両面に太鼓をつるして、
それを叩いているというのもありますね。実際の戦場ではそうしていたのかもしれません。
『ブッダ』で読んだような気がしますが、インドでは象の両側に太鼓を吊るしていたような。

リズムとしては、3拍叩いて1拍休み、という4拍子が多いのですが、
トルコの場合、なぜかそこに突如として7拍子や9拍子という変拍子が入ってきます。
そんな変拍子の音楽でノレるのか、士気はあがるのか、と思いますが、
まあ聞いてみたら意外にノリはいい。
7拍子のギュルユズンデ・ギョレリや、9拍子のエステルゴン・カレスィなどがあります。
心なしか7拍子のほうがノリやすいかな。3+2+2という拍子です。
トルコ音楽にはしばしば奇数拍子や10や14拍子などがありますから、
彼らにとってはむしろ愛国心が高まるのでしょうね。
ちなみに、東欧から中東にかけては、庶民が変拍子を普通に楽しむという傾向があります。
ブルガリアの11拍子のダンスとかいいですね。民族衣装もきれいです。

久しぶりに気合入れて書いたらトルコ軍楽だけでめっさ文字数を使ってしまったので、
どうしよかなと今悩んでいるとこですが、来週のためにも「次週へつづく」にします。
トルコ古典音楽の話とかはまた。あと、楽器紹介とか全然まだできてませんしね。
しかしながら書くと長くなるので。
ちなみに、トルコ軍楽隊のことを「メフテルハーネ(Mehterhane)」というのですが、
Youtubeで「Mehterhane」で検索すると、トルコ軍楽大好きなおじさん
太鼓を叩いて歌ってる動画が山ほど出てきます。気に入った方はぜひ。

あと、最後にイベント告知です。
祇園祭で山鉾巡行を見た夜に、素敵なシルクロードの響きを、ということで、
アラブのウード、インドのシタール、西欧のヴァイオリンの弦楽器トリオユニット
YABANCI」が7月17日夜7時から、うずらギャラリーでコンサートを行います!
関西では結構な実力派の3人が組んだユニットなので、実は結構激アツなライブですよ。
イベント詳細はこちら
私も非常に楽しみにしております。
連絡をくれる奇特な方がいればsekaiminon@hotmail.co.jpまで!
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いままでの記事
2010-4-22 第一音 「民族音楽の魅力」
2010-4-29 第二音 「哲学の極致、インド古典音楽」
2010-5-13 第三音 「あの人、シタールしたはるわ」
2010-5-20 第四音 「破門の危機と隣り合わせでお送りします」
2010-5-27 第五音 「インド人のツボ」
2010-6-3 第六音 「野外クラシックフェス」
2010-6-17 第七音 「イラン・テヘラン・ランランラン」
2010-7-1 第八音 「クルアーンの音楽性」

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