世界民音 第十音 「中東打楽器祭り」

どうも。弐階堂です。
民族楽器は基本アコースティック楽器なのですが、
音は案外小さいので、やっぱりライブのときはマイクとかが必要になります。
てなわけで最近音響機材の勉強をしているのですが、めっちゃめちゃ難しい。
もう尋常ではない。法律用語よかよっぽど難しい気がする。
モノラルチャンネルたらフォン端子がどうこう。
機械音痴なもんで、カタカナ語やアルファベットが全然頭に入ってこんのですよ。
文系と理系の差はここかっ・・・・・・!と唇を噛みしめる思いです。
さて、今日はそんな機材を使わずとも大きい音の出る、打楽器についてです。
中東は打楽器の種類が豊富で、指先の細かいテクニックにはすごいものがあります。
ダラブッカ
アフリカの太鼓、「ジャンベ」は割と有名で、くびれを持った杯のような形をしていますが、
ダラブッカも構造的にはほぼ同じです。
ただ、奏法が向こうは両足の間に太鼓を挟んで演奏するのに対して、
こちらは小脇に抱えるようにして、横向きにして演奏します。
音的には非常に似た音がするのですが、奏法によって音はやはり変わってきますね。
ダラブッカの音楽の特徴としては、細かい指使いのテクニックから生まれる、速さやきめ細やかさというのがあります。
それを最もよく表すような動画がこちら。
うますぎてもはや意味が分からないレベルの二人組の動画です。
前半と後半のよくそろっている部分はたぶんあらかじめ決めておいたのだと思いますが、
中間の部分は即興によるソロだと思います。ちなみに9拍子です。
もうひとつ、別の2人で演奏してる動画をご紹介。
Onur Nar & Serkan Ozdiler 1 Onur Nar & Serkan Ozdiler 2
これなんかはだいぶポップというか、初めて聴いた人も聴きやすいと思われます。
なお、動画の中で太鼓の表面が光っていますが、これは中に電球を入れていて、
その熱を打面に当てることで、皮がゆるむのを抑えているというわけです。
皮を使う太鼓にとって湿気は天敵ですからね。電球は必ずしもつけるわけではありません。
楽器の構造は非常に単純なのですが、奏法によって十種類ぐらい音を出せます。
ですがまあ、基本的には四種類の音を基調として音楽が作られます。
真ん中を叩いて低音を出す「土」の音、ちょっと真ん中の上を叩く「火」の音、
打面の縁を叩く「水」の音、何も叩かない「空」の音。
いわゆる四大元素説に基づいております。
そして、この音の分類は他の楽器についても同じで、
「タール」というフレームドラム、「レク」というタンバリンも同じ四音を基本とします。
フレームドラムというのもこれまた構造的には単純な楽器で、
まーるい木の枠組みの上に皮を張っただけの太鼓で、世界中で見られます。
そしてダラブッカと同様のテクニックで同じく多彩な音を出すことができますが、
フレームドラムだけに使えるテクとして、皮の表面を湿った指でこすることで鳴らす
「ゥゥヴヴヴゥゥーーーン…」という音は独特かつ陰鬱な響きを持っています。
Glen Velez/Bodhran
まあ、これは正確にはアイルランドの「ボーラン」というフレームドラムなのですが、
同じテクニックを今は中東でも使います。
普通打楽器というのは景気のいい音色がするもので、
比較的明るい楽器といえますが、このフレームドラムは例外。
非常に陰鬱かつ重々しい雰囲気を持った打楽器です。
ただ、ノリよく演奏することももちろんできますし、音程を上げれば明るくも聴こえます。
また、演奏によっては少しロックっぽい音色にもなります。
David Kuckhermann/Tar
これなんかはすごく現代音楽に近いものがありますね。録音の調子もありますが。
あと、フレームドラムは、塗料に気をつければ表面にでっかい絵を書くことができるので、
ちょっとしたファッションとしてもなかなかオシャレな楽器です。
Miranda Rondeau “Arising” 何か塔のような絵が書いてます。歌もなかなか。
Aini Bahai Naw Ruz クルアーンの聖句、と思われる。同じく歌手の動画。
フレームドラム一個持って歌えば結構音楽になるものですね。
レクというのはまあ単純に言えばタンバリンとほぼ一緒の楽器で、
フレームドラムのまわりにシンバルがついたものです。
タンバリンといえば最も手軽な楽器で、大した演奏もできなかろうというイメージがありますが、
テクニックによってはこんな演奏もできてしまいます。
Yousif Sheronick/Riq
タンバリンに関しては、ブラジルの「パンデイロ」という楽器も有名なので、またそのあたりでじっくり話すことといたしましょう。まだ自分も調査不足なので。
さて、これまで3つ楽器を紹介してきましたが、実のところをいうと、
正直どれも基本的なテクニックは似通っているのです。
楽器のほうが違うために違う音が出るけれども、基本的には同じ。
なので、3つ全部結構うまくできますよ、という人は意外といます。
3つ全部一人でやっちゃった動画とかありますしね。
これとこれとこれは全部同じ人です。
あるいは、これは別々に録ったものを合成してたり。
一つマスターすれば三つ楽しめちゃうということでなんだかお得な感じがしますね。
けども、面白いことに、ダラブッカによく似た「トンバク」という楽器があるんですね。
残念ながら画像がないので動画を載せますが、
イランの楽器で、形もほぼ一緒です。
ですが、こちらはさらに指先を細かく使ってさらに繊細なリズムを刻みます。
ダラブッカは、人差し指と薬指を主に使うんですが、
トンバクは親指以外全部使って叩く。つまり2倍の指で叩くわけです。
そらぁスピードの面においても音数の面においても2倍になるわけですよ。
これなんかは相当綺麗ですね。
今まで紹介した動画より録音状態が相当いいので、聞こえ方も抜群です。
音的にはダラブッカ等よりピッチが高いので、形は似ているけど全然違う印象の音です。
そして、この指4本で叩く相当細かいリズムにあこがれて、
ダラブッカのほうでもそういったテクニックを使おうとするグループもあります。
また、インドのタブラのテクニックを取り入れたりする「トルコモダンスタイル」というのもあり。
打楽器間の交流によって、いろんなテクニックが今も生まれつつある、
それが中東打楽器の現在だといえましょう。
明日はスナックキャロルですよ。そういえば最近ひさしく聞いていない気がする。
それから、明後日31日。
Club Metroで「鼓ナイト」なるものが開かれます。
打楽器好きは、打楽器を持っていくと割引もありますよ。
ではでは、また来週。
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