降りやまない雨 STEP3
「ほこら…」
「心当たりはあるの?」
「はい。だけど、あの山に入らなければいけないの……」
あおが指さした先は、ほたる山だった。妹を助けるためには、土砂崩れが起き、道も所々ふさがれているというほたる山へ向かわなければいけないようだ。
「もう、無理です……。すずは、帰ってこない……」
「大丈夫だよ。だって、死んでいたらこのまじないシートは反応しないんでしょ。だから生きているよ。」
あなたは今にも泣きだしそうなあおを、まじないシートに小さく書かれた文章を指さして励ました。
「…はい」
2人は顔を見合わせて小さくうなずき、リサイクルショップでもらったカッパを着て、ほたる山へ向かった。
ほたる山へ向かう途中、あおが思い出したように話し始めた。
「実は昨晩夢を見たんです。その時はただの夢だと思ったのですが… もしかしたら、何か関係があるのかもしれません。」
「どんな夢だったの?」
「暗闇で妹の声だけが聞こえてくるんです。もしかすると、私に居場所を伝えてくれているのかもしれません。」
やみくもに山を探すのは危険だと判断したあなたは、その夢の詳細を聞いてみることにした。