狂気の山脈からの脱出 謎付きクリアファイル 正解
「この作戦でいこう。確かに『物理的な攻撃は有効ではない』ようだが、過去には『古のもの』もこの爆発でダメージを受けたとされている。ベースキャンプに戻り、救助を呼ぶくらいの時間は稼げるかもしれない」
「はい!」
「この作戦は危険なので、実行は私が行なう。お前たちは化け物と鉢合わせないルートで洞窟の外に出て、見張り組の様子を確認してくれ。爆発が起きたら、先にベースキャンプまで戻るんだ」
「でも、それだと隊長は……」
エリックの言葉に、隊長は覚悟はできていると言わんばかりに苦笑した。
「『命より成果』だろう?」
「!」
……この人は命と引き換えに、自分たちに情報を持ち帰らせようとしているのだ。その期待を裏切るわけにはいかない。
エリックは記録の入ったリュックをしっかりと背負い直し、頷いた。
「任せてください」
「頼んだ。じゃあ、もう行きたまえ。くれぐれも気を付けて」
後ろ髪をひかれつつも、エリックたちは洞窟の入り口へ向かった。
洞窟の入り口は悲惨な状況だった。
首の落ちた死体、背中を切り裂かれた死体、細切れになった死体…… 生きている者は誰一人としていなかった。
「隊の半分が死んだ……こんなに一瞬で、あっさりと……。それほどまでにあの化け物は強大なのか……」
エリックは呆然と呟いた。後から後から涙が流れてくる。
……だが、彼らの死をゆっくり悼んでいられる状況ではない。隊長の作戦が順調に進んでいる間に、ベースキャンプに戻らなくては……。
「行こう、ベースキャンプへ」
「ああ」
隊員たちは足早にベースキャンプへと歩き始める。
そのとき、背後の洞窟からドーン!という爆発音が響く。振り返ると洞窟は半壊し、煙に覆われていた。作戦は成功したのだ。
安堵したその瞬間……。
ブーン……ブーン……。
「まさか……」
煙が晴れたとき、そこにいたのは無傷の化け物だった。人間ほどの大きさで、ピンク色をした昆虫のような、甲殻類のような、あるいは菌類のような……不気味な姿をした存在が、こちらを見つめていた。
「この規模の爆発でも効かないというのか……」
エリックたちは、自分たちの死を覚悟し絶望した……。
こうして第29次狂気山脈調査隊は消息を絶った。
それからも数々の調査隊が派遣され……21年後。
エリックの息子を隊員に含む、第37次調査隊が狂気山脈へと足を踏み入れた……。


