謎の館からの脱出 解説付きクリアファイル イベント_事件の真相
使用人からすべての真相が語られる。
1995年、この館で3つの殺人事件が発生した。
3人目の被害者であるしずえの事件。優子と朔也は既に死亡していたため、この時点で生存していた幸子、雄真、登美子、公造の4人が容疑者となる。しかし、以下の理由で、公造以外は犯人から除外された。
幸子:血液恐怖症のため
雄真:「自宅にいた」という警察も認めるアリバイが存在したため
登美子:入信していた「浄水教」では「地の底より湧く水は、もっとも清らか」であり、「『命尽きしもの』その場に沈めるは、悪行」とされていたため

公造の挑戦状に記されていた通り、この事件は消去法によって犯人が確定する。よって、しずえを殺害した犯人は公造である。
1人目の被害者である優子の事件。優子の遺体発見直後、血液恐怖症の幸子、アリバイのある雄真、脚が悪いしずえは容疑者候補から外れていた。残る容疑者は朔也、登美子、公造であったが、公造が手紙に書いていた通り、優子と朔也を殺した犯人は同一人物であることから、朔也は犯人ではない。また、優子の脚が井戸から発見されたことから、登美子も宗教上の理由で犯人候補から除外される。となると犯人は公造かと思われるが、暗室には、優子が殺害された時刻に公造が撮影した写真が残っていた。

その時間に撮影した写真がある以上、公造にも犯行は不可能だ。
館の防犯システムに異常はなかったため、館の外から犯人がやってきた可能性も考えにくい。館の構造を熟知していなければ難しい犯行であり、深夜の館内で外部の者が動くのは、なおのこと不可能だ。
一体誰が優子を殺害したのか…? 優子の遺体が発見された時と今とでは、状況が一つだけ変わっている。それは「開かずの箱」に隠されていた井戸だ。

深く深く落ち込んでいる井戸の高さによって、もう一つの犯行方法が可能になる。優子を2階からではなく、「1階から井戸に突き落として転落死させた」と考えれば、2階に上がれないしずえの犯行が可能となる。体中の擦り傷は、井戸に突き落とされその後に引き上げられた際についたものだった。また、両脚を切断したのは、引き上げる際に使用したロープの痕を隠すためであった。
2人目の被害者である朔也の事件。当時は警察も混乱していて、まともな捜査をしなかったため、公造は2020年にもう一度この事件を読み解こうと、館を徹底的に調査した。その時に朔也の遺体を発見した。
公造によると、朔也の遺体とともに一通の手紙が発見されたという。

つまり、しずえが幸子に運ばせた食事に毒を盛り、この手紙を食器の下に入れたのだ。朔也は母親の言葉を信じて床下に隠れ、そのまま毒に苦しみながら亡くなった。
これで一連の殺人事件の犯人は判明したが、他にも推理するべき問いがあった。
暗室にあった写真はどれも、隠し撮りのような構図で男女が並んでいる写真だった。それらから、芸能人のゴシップ写真を撮影し、週刊誌などに売りつけていたと推測できる。
これに関しては家系図や売買証明書に手がかりがあった。

代々木材加工業を営んでいた巣蔵家の館には木材の加工、切断をする道具もあったはずだ。実際、登美子の部屋には、事件後に工具や機材を売り払った証明書が残っていた。脚を切断しようとした時、これらの道具を使おうと考えるのが一番自然であるため、答えは「巣蔵家の家業だった木材加工用の道具」となる。
公造は自分の三人の子供たちよりも優子に自分の資産を譲りたいと考えていた。公造がかつて愛した女性、富田良美と優子は同じ名字であり、親子である。そして優子の父親は公造であった。しかし、優子と公造は、戸籍上は他人ということになっている。
そのため、公造は一見ただの遊びに見える集まりに「誓約書」を持ち込み、優子に遺産を相続させようとした。そのために行なわれたのが遺産相続ゲームである。
警察が来なかったのは、来れないほどの事態が起きていたからだと考えられる。事件が起こった1995年1月17日の朝について検索すると、その日起きていたのは阪神・淡路大震災。地震の混乱で通信網は麻痺し、京都府警も救助活動にあたっていたため、警察がなかなか到着せずに事件はより複雑になってしまったのだった。実際、事件前後の行動をまとめたパネルでも、5:45-5:55の行動には、「立てないほどの衝撃を感じる」「散らかった家を片付けていた」などと記載があった。
ここで使用人は、あなたたちに公造からの最後のメッセージを見せた。
映像では、公造がしずえを殺害した理由が語られていた。公造は優子に遺産を継がせるため「遺産相続ゲーム」を企画したが、優子は殺されてしまった。愛する優子を殺した者を許せない、何より、自分が丹精込めて作った「遺産相続ゲーム」を台無しにした者を生かしておけないと考えた公造は、しずえを殺害した。井戸の存在を知るのは公造としずえだけだったため、公造はすぐに、優子を殺した犯人がしずえだと気づいたのだ。しずえが優子殺害の罪を朔也に着せたように、公造もしずえ殺害の罪を朔也に着せるべく、しずえの脚を切断した。
数年後、館を再度調査した公造は朔也の遺体を発見し、あなたたちがこれまでにやってきたゲームを思いついたのだった。公造は、自分が作った最高の謎を永遠に残すため、館を継承するため、誓約書を井戸から引き上げ管理会社に託した。
「これでわしの魂であるこの館は永遠に保たれる。わしは、永遠にこの館と共に生き続けるのだ!」
すべての真相を知ったあなたたちに向けて、使用人は一枚の紙を渡した。

この紙は、使用人が館中を清掃した際に優子の部屋から見つかったものらしいが、公造に見せると、それをじっと見つめた後「もういい。捨てておけ」とつぶやいたという。
あなたたちは紙に書かれた内容を頼りに、優子がメッセージを隠した部屋を探した。すると、壁だと思っていた部分の向こう側に、新たな隠し部屋を発見。そこには、なぜか誓約書と優子が遺したビデオテープがあった。
優子からのメッセージによると、「遺産相続ゲーム」の最後の謎は、優子が殺害される前にすでに解き明かしていたという。井戸から誓約書を発見した優子は、その誓約書を自分の手元に保管し、用意した偽物の誓約書とすり替えていた。つまり、公造が必死に守っていた誓約書は、なんの効力もなかったのだ。

帰り際、あなたたちは使用人からある手紙を受け取った。それは、しずえの独白文であった。
しずえによると、公造は父、源三郎に厳格に育てられ、「プライドだけ高い弱い人間」になったという。「誰かを守る存在になりたい」と思っていたしずえは、公造が挫折していた時に公造と知り合い結婚。しかし、しずえの深い愛情は、次第に公造の重荷になっていった。
公造は知らなかったが、しずえにはふみえという双子の妹がいた。ふみえは駆け落ちをして海外へ行っていたが、それは結婚詐欺であった。「姉に従えば幸せになれる」と思うようになったふみえは、病気で弱ったしずえに「自分として生きて家を守って」と頼まれ、しずえと入れ替わることを決意した。つまり、巣蔵家の人々やあなたたちがしずえだと思っていた人物は、実はふみえだったのだ。
ふみえはしずえの死体を物置小屋の下に埋め、25年間「巣蔵しずえ」として妻や母を演じ続けた。しかし、子どもに本当の愛情を持つのは難しく、周囲から「ある時期から気性が荒くなった」と見えたのはそのためであった。また、使用人の幸子だけはその事実を知っており、幸子は世話をするフリをしながらバレないようにフォローしてくれていたという。
ふみえにとってその秘密を守ることが生きる理由になっており、そのために優子を殺さなくてはならなかった。優子が遺産を相続したら、物置小屋にアトリエを建てる際、しずえの遺体が見つかってしまうからだ。
さらに、ふみえは「家を守る」という姉の言いつけを守るため、自分が捕まらないよう朔也に罪を着せることにした。
すべての真相を知ったあなたたちは、館を後にしたのだった。