2月14日、12時の鐘がなるまえに。3
【第1章】
電車に揺られて1時間ほど、ようやくネオ・稲荷タウンに到着した。
「やっとついたみたいだね。さあ、ハイネくん。ショータくんのお家まで案内をよろしく頼むよ」
「はい、ぼくについてきてください!」
あなたとカムパネルラは、とてとてと歩くハイネの後をゆっくりとついていく。
駅前は少し静かだったが、商店街が近づいていくにつれて次第にワイワイと活気ある住民の声が聞こえてきた。建物は一昔前の日本の街並みを再現しているようで、行ったことがないのにどこか古めかしく懐かしい。
自分たちが住んでいる街との違いを楽しみながら数分歩くと、「あ、ここです!」とハイネが声をあげた。
ショータの家は赤い屋根がカラフルで可愛らしい、ごく普通の一軒家だった。庭はきちんと整備されており、1本の木が屋根に向かって伸びている。
しばらく家のまわりをうろうろしていたカムパネルラは、何かを見つけて嬉しそうにこちらに戻ってきた。
「2階の部屋の窓が開いてるけど、どうやらあそこがショータくんの部屋みたいだよ」
「すごい……!なんでわかったんですか?」
「まあ、ベテラン相談屋の勘、ってやつさ! よし、中に入ろう」
「え!? いやいや、ダメですよ! カムパネルラさん…… !」
ハイネの制止する声もなんのその。カムパネルラは家の側にある木をどんどん登っていき、すぐに2階の部屋の窓までたどり着いてしまった。
「大丈夫、大丈夫。よっと。ほら、早く! 新入りくんもおいで」
あなたは自由気ままに動くカムパネルラに少々呆れながら、いつものことかと諦めて木を登り、2階の窓からショータの部屋へと入った。
「ほら、ハイネくんも。ショータくんのこと、知りたいんだろ」
「う…… わかりました。今行きますから、待っててください!」
カムパネルラの言葉にさそわれて、ようやくハイネも木を登り始め、部屋の中に入る。
ショータの部屋は、模範的な小学生の部屋という感じだった。
ロボットのおもちゃやサッカーボール、机の上には勉強道具が並んでいる。
その中には「絵日記の宿題」と書かれたプリントがあった。
「ちょっと見てみて、これ、ここに『ぼくは何がいちばん好きでしょう!』って書いてあるね。何か手がかりになりそうだけど……」
カムパネルラがあなたにそう話しかけてきた時、突然部屋のドアがノックされる音が聞こえた。どうやらショータのお母さんが部屋にショータがいないかを探しにきたようだ。
「まずい、みんな、外に出るよ…… !!」
落ちないように気をつけて急いで窓から木に飛び移り、庭に降りた。
少し走ると近くに公園が見えたので、そこにある椅子に座って息を整える。
「あ、あぶなかった…… 今までで一番ドキドキしました!! ショータくんのことはあんまりわからないまま、急いで外に飛び出してしまいましたけど……」
「ふふふ、新入りくん、あれをハイネくんに見せてあげて」
あなたは「絵日記の宿題」と書かれた紙をハイネに見せた。
「これは、なんですか…… ? 絵が描いてありますけど」
「これは絵日記だよ。ショータくんが毎日の面白かったことを絵と一緒に記録している紙だ。でもほら、ここを見て、『ぼくは何がいちばん好きでしょう!』って書いてあるでしょう」
「あ、ほんとだ」
「どうやらショータくんは、小学校の先生に絵日記を通して謎を仕掛けていたみたいだね」
「謎…… ?」
「うん。この謎を解けばきっと、ショータくんの好きなものがわかるはずだよ」
「なるほど…… ! でも、ぼく、謎なんて解いたことないですよ…… 文字もあんまりわからないし……」
「大丈夫、大丈夫。うちの優秀な新入りくんが華麗に解き明かしてくれるから。ね!」
あなたはカムパネルラのいつもの調子にため息をつきつつ、ハイネの方を向き「任せて」という気持ちを込めて、笑って見せた。
「あ、ありがとうございます! ……ぼくにもなにかお手伝いできることがあれば!」
「うんうん、みんなで頑張ろうね! じゃあ新入りくん、絵日記のプリントをここに広げて、謎を解いていこう」
あなたは「絵日記の宿題」と書かれたプリントを手元に置き、さっそく謎を解きはじめた。
絵日記の宿題プリントを読んで謎を解きましょう
ショータの好きなものがわかったらここに入力してください
1番左の謎のヒント
はなぞの公園前、バスセンター前、ほしぞら公園前と書かれたものをどこかで見なかっただろうか。
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くもりの日の絵日記には、「〜前」というバス停の看板と、「地図に書いてある乗場番号のおかげで」という文章が書いてある。
地図にあるバス乗り場案内を見てみよう。
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地図にあるバス乗り場案内を見てみると、矢印が通る部分には数字が書いてある。
はなぞの公園前は「2」
バスセンター前は「1」
ほしぞら公園前は「4」となる。
同じように下も確認すると、
バスセンター前「1」
はなぞの公園前「2」
はなぞの公園前「2」
ネオ稲荷ジンジャ前「5」となる。
「214」がバレンタイン=数字は日付を表しているので、「1225」はクリスマスが答え。
左から2番目の謎のヒント
はてなの部分になんのイラストがくるのかを絵日記をみて確認してみよう。
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雲の配置からはてなに入るのは2月11日の絵日記にかかれた月のイラストだ。
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「つき」をはてなに当てはめてみよう。
左側のはてなが反転しているので、きつつきが答え。
左から3番目の謎のヒント
絵日記の文章にある同じ背景がついた部分を抜き出してみよう。
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ガラス⇨カラス
じゅぎょう⇨しゅぎょう
白い矢印は、頭文字のみ濁点が取れるということがわかる。
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えんそく→えんそう
きょく→きょう
黒い矢印は最後の文字の「く」が「う」になるということがわかる。
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白い矢印と黒い矢印の法則にしたがうと
だいふく⇨たいふく→たいふう
となるので、たいふうが答え。
左から4番目の謎のヒント
「はれ4」とはなんのことだろうか?
絵日記の宿題プリントの中で「はれ」と書かれているものをみつけてみよう。
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「はれ」は絵日記に書かれた天気のことだ。
はれの日の4行目を矢印の向きにそって右から読むと、「青色の郵便局」となる。地図の中で青いのは「たぬき」郵便局だ。
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あめの日の4行目も同じように読むと、「一番大きい公園」となる。地図の中で大きい公園は「ほしぞら」公園。よってほしぞらが答え。
4つの謎を解いた後のヒント
4つの小問の答えから数字がふられているものを抜き出して並べると「ほしふたつつくり」しろいちいさな矢印の下をみてねという指示がでてくる。
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きつねの頭で黄色い星、1番左の謎付近にあるピンクのかけらでピンクの星を作ることができる。
バス停の棒と日記の文章内の三角で現れた白い矢印と、問題文にあった白い矢印の先にある文字を読むと「いちご」という答えがでてくる。