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  2. 2月14日、12時の鐘がなるまでに。5

2月14日、12時の鐘がなるまでに。5

 【第3章】

「アトリエ…… 答えはアトリエですね…… !」

ラッピングを完成させ、謎が解けたハイネは嬉しそうに言った。

「可愛いラッピングもできたし、後はカフェの店員さんに答えを伝えるだけだけど…… あ、いいもの発見。『落とし物スペース』だって。ちょっといくつか拝借しようか」

カムパネルラは公園にある、落とし物が入った段ボールを見つけてごそごそと何かを取り出した。

「誰かの忘れ物の手袋と帽子、コートと…… あとは君のその真っ赤なマフラーがあれば大丈夫かな。はい、できた」

「わ…… ありがとうございます! …… でもどうやって店員さんに答えを伝えたら?」

「大丈夫、完成したラッピングを持って、この紙の『あ』『ト』『り』『え』の文字をゆっくり手で示せばきっとわかってくれるはずさ」

あなたは、少し不安そうにこちらを見るハイネに、きっと大丈夫だと声をかけた。

ハイネはしばらく目を閉じて考えた後、心を決めたようにうなずいた。

「よし。行きましょう! …… でも、ちょっとだけ不安なので、お店の前まで一緒に行ってくれませんか…… ?」

「もちろんだよ。ね、新入りくん! さ、あおいカフェの前まで行こうか」

あなたとハイネたちは、先ほども訪れたカフェの前にやってきた。

ハイネはゆっくりとドアを開けてレジの奥にいる店員さんの前へと向かう。

その様子をカムパネルラとあなたは窓の外から見守っていた。

「あら、いらっしゃい。ずいぶん小さなお客さんね」

そう言ってハイネの元までやってきた店員さんは、ハイネの目線に合わせてしゃがんでくれた。ハイネが持っているラッピングと、手袋をつけた手が示す「アトリエ」の文字で伝えたいことをわかってくれたようだ。

「バレンタインデーのキャンペーンね! 答えは正解!! …… じゃあ、この中から好きな飴をひとつ、選んでね」

ハイネは店員さんが差し出した瓶に入っている色とりどりの飴の中から、真っ赤な包みの飴をひとつ受け取った。

「いちご味ね。キャンペーンに参加してくれてありがとう! 」

「実は、『アトリエ』っていう答えにしたのには理由があって…… 去年の3月、この街で一番大きな公園がなくなったでしょう? ラッピングのデザインをしてくれた作家さんが、その跡地に来月アトリエを開くみたいなの」

「その宣伝の意味も込めてバレンタインのキャンペーンをやっていたのよ。子ども向けのお絵かき教室も開催するみたいだから、もしよかったら行ってみて! …… そうだ、これもあげるわ!」

次から次へと話が進み、ハイネが目を白黒させている中、店員さんが渡してくれたのは「挑戦者求ム! ネオ稲荷タウン謎解きラリー」と書かれた1枚の紙だった。

「今、ネオ稲荷商店街では、商店街を歩きながら遊べる謎解きラリーをやっているの。もし時間があったら遊んでみてね!」

ハイネはぺこり、とお辞儀をし、カフェのドアを開けて外に出ると、一目散にあなたとカムパネルラのもとに駆け寄ってきた。

「やった…… やりましたよ、みなさん! いちごの飴を無事に手に入れることができました…… !」

「おめでとう! よく頑張ったね、ハイネくん!」

あなたは緊張がとけてその場にへなへなと座り込んだハイネを支えながら、おめでとうと伝えた。

公園に戻った後、ハイネは手袋と帽子、コートを落とし物スペースに戻した。

先ほど作ったラッピングのシールを慎重に剥がして中にいちご味の飴を入れ、もう一度シールを貼り直す。

大事そうにラッピングをかかえるハイネを見て、あなたはなんだか心があたたかいような気持ちになった。

ふと、ハイネが耳をピクピクさせて、何かに気がついたように公園の入り口へと視線を向けた。その様子を見てどうしたの? とカムパネルラが問いかける。

ワイワイと楽しそうな声をあげながら公園の入り口に現れたのは、遊びにきたであろう5人の小学生だった。

その中の1人を見て、ハイネがそっと「ショータくんだ……」と呟く。

その呟きを聞いたカムパネルラは、パッと顔を輝かせるとハイネにつめより

「わぁ、本人登場だね! いったいどの子がショータくんなのかな?」

と興味津々に尋ねた。

「あの、端っこにいる…… ちょっと猫っ毛で灰色の瞳をした男の子です」

ショータは少し気の弱そうな、でも、とても優しそうな雰囲気を持った少年だった。

綺麗な灰色の目がハイネの毛色に少し似ている。

カムパネルラたちが観察していると、その少年、ショータがこちらに気がついた。

「あれ…… なんでこんなところに?」

彼はそう言うと、嬉しそうに小走りでハイネの元へと向かってくる。

ハイネはラッピングを自分の後ろに隠し、近くまできてくれた彼を見上げた。

まだ何も心の準備ができていなかったハイネは、視線を彷徨わせ、一瞬すがるような目でこちらを見た。

あなたたちの顔を見て何かを決心したようにきゅっと目をつぶり、勇気を出して彼に声をかけようとしたその時、それを遮るように

「おい、ショータ! 何してんだよ、早く遊ぼーぜ!」

という大きな声が彼の後ろから聞こえた。

どうやら、一緒に公園にやってきた友だちが、遊ぶのを待ちきれずこちらにやってきたようだ。

彼らは、大勢の人間に戸惑っているハイネの存在にやっと気がついたらしい。

ショータの後ろからこちらを覗き込むと、驚き、嫌悪、興味、からかいなど、みんなそれぞれの表情をして、口々に言葉を投げかけてきた。

「猫じゃん、それも3匹も」

「あんまりここら辺じゃ見ないけど、どこの子だろうね」

「うわっ、灰猫じゃん! きったなーい!!」

最後の一言を聞いたハイネは、ショータから離れるように、一歩後ろに下がった。

「灰猫?」

「そうそう、冬になると寒いからってかまどの中に入って眠るんだ。灰だらけになるから汚れてて汚いんだぜ、ショータも触るなよ」

得意げにぺらぺらと喋る少年の言葉に、ハイネはまた一歩、後ろに下がる。

「そんなこと…」

友達の言葉を否定しようとするショータの言葉に被せるように、さらに別の少年が声を重ねた。

「そういえば、宮沢賢治の童話に『猫の事務所』っていうお話があって、それもそんな生活をしている猫の話でしたね。かま猫って呼ばれてていつも体が煤で汚く、他の猫に嫌われているってところから始まるんですけど……」

その話が終わる前に、ハイネはその場から駆け出していた。

カムパネルラもその後を追って公園を飛び出していく。

「灰音…… !」

あなたはショータがハイネを呼ぶ声を聞きながら、ハイネが落としていったラッピングを大事にくわえ、2匹の後を追いかけた。

走って走って、ようやく立ち止まったハイネに追いつくと、彼は小さな体を震わせてぽろぽろと大粒の涙を流し、泣いていた。

「…… こんな自分じゃ、想いを伝えるなんてできません」

「みんなが言うように、ぼくは灰猫、かまどの中で眠る猫だからいっつも灰をかぶってて、灰で汚れているんです」

「…… どうせおんなじ灰かぶりなら、あの童話のシンデレラみたいに、綺麗に、幸せになれたら良かったのに」

「もしも、人間だったら、言葉も話せて、もっと仲良くなれたのかな」

悲痛な声でぽつりぽつりと話すハイネの話をじっと聞いていたカムパネルラは、彼の顔を覗き込んで目を合わせると、「じゃあ、人間になっちゃおっか」と無邪気に笑った。

「え…… ?」

驚きで涙がぴったりと止まったハイネは、目をぱちぱちさせてカムパネルラを見る。

「君が教えてくれたんでしょ、この街の不思議なハナシ」

「この街には『ネオ稲荷ジンジャ』というジンジャがあって、そこにいるきつねさまに油揚げをお供えするとなんでも願いをかなえてくれる、ってさ」

「でも、それは、古い言い伝えで……」

「ものは試しだよ、ハイネくん。ほら見て、ここ」

カムパネルラは、カフェの店員にもらった「ネオ稲荷タウン謎解きラリー」の紙を出して、ある一箇所を手で示した。

「最後の答えを事務局まで伝えてくれた方には、ネオ稲荷商店街特製の油揚げプレゼント…… ?」

「そう! このラリーの謎を解けば、油揚げがもらえる…… すなわち、きつねさまにお供えして願い事ができる、ってことさ」

「でも、そんな大きなお願い、叶えてもらえるんでしょうか……」

「1回やってみようよ、ダメだったとしても、それで気持ちがすっきりすることもあるし」

「……」

あなたは、考え込むハイネの足元に、彼が頑張って作ったラッピングを置いた。

それを見た彼の顔がまた、泣きだしそうに少し歪む。

「…… そう、ですね。きつねさまに、会いに行ってみます。あそこはショータくんと出会ったジンジャだから。区切りをつけるにはいいかもしれません」

「……よし、それじゃ、行ってみよっか」

ハイネとあなたとカムパネルラは、ネオ稲荷タウン謎解きラリーの紙を手元に置き、さっそく謎を解きはじめた。

ネオ・稲荷タウン謎解きラリーの紙を手元に用意し、謎を解きましょう

 

答えがわかったら入力してください

    答え 

解答はひらがなで

謎Aのヒント

指示通りに地図を進むとこのようなルートになる。
そこにある郵便局はたぬき郵便局なのでそれを見て謎Aを解こう。

もっとヒントをみる場合はこちら

黒い矢印が通っているところは「りか」「かん」になるのでそれを頼りにしながら、MAPから当てはまる名前を探して空欄に埋めよう。

答えはこちら

すべてうめるとこのようになる。
郵便マークの色は青なので、青い矢印を読むと「めろん」が答えとなる。

謎Bのヒント

指示通りに地図を進むとこのようなルートになる。
そこにある干支の動物の置物は「さる」なのでそれを見て謎Bを解こう。

答えはこちら

さるの置物を見て、正しい組み合わせでマークを繋いで間にある2文字を読むと「もも」が答えとなる。

謎Cのヒント

指示通りに地図を進むとこのようなルートになる。
謎Aの答えは「めろん」なのでメロンにはさまれたお店「かりんカフェ」を見て謎Cを解こう。

答えはこちら

お店の看板の下部分をみると、問題文と同じ数、同じ形がある。
赤い色のついた部分を右から読むと「ぶんぼうぐ」が答えとなる。

謎Aから謎Cを解いた後の問題のヒント

謎A〜謎Cの答え「メロン」→「もも」→「文房具(ハサミ)」を順番に繋いでみよう。通った文字を左から読むと「2文字のものの下よめ」と出てくる。

答えはこちら

イラストの中で2文字のもの「かき」「たい」「パン」「なす」「もも」の下にある文字を読むと「おめでとう」と答えだとわかるのでWEBに答えを入力する。

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