Mystery for You 4つの金庫のデスゲーム 第2章
【第2章】
5、8、3、9……送信。
ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン。
ピンポンの音が4回鳴った後、自動的に金庫が開いた。
金庫が開くやいなや、再び天井から声がした。
「おめでとう。1つめの金庫が開いたね。
この要領で時計回りに1つずつ金庫を開いて、すべての金庫が開けば君の勝ちだよ。
でも、ここからは注意してね。
次の金庫は入力する数を間違えたら2度と入力を受け付けなくなるよ。
つまり、1度間違えると君はもうここを出られなくなるというわけだ。
じゃあ、1つめの金庫に入っている謎を解いて、次は2つめの金庫を開けてみてね」
1つめの金庫の中を見ると封筒が入っていた。
封筒を取り出すと同時に、金庫は自動的に閉まった。
金庫が閉まると、再び声がした。
「1つだけ補足しておくね。
1つめの金庫は何度でも入力できるから、金庫のルールを確かめてみたければ1つめの金庫で試してみるといいよ」
確かに金庫のルールは複雑だ。
次の謎を解く前に1つめの金庫にいろいろな数を入力してみよう。
1つめの金庫の正しい数は5839だったな。
5、8、3、9……送信。
ピンポン、ピンポン、ピンポン、ピンポン。金庫が開いた。
これはさっきやった通りだ。
少し数を変えてみよう。
6、8、0、8……送信。
ピンポン、パン、パン。
百の位は正しい数と一致していて、千の位と一の位は数字が1ずれている。
よって、このとき鳴る音は「ピンポン」が1回、「パン」が2回だ。
鳴る音については位に関係なく「ピンポン」が優先して鳴るらしい。
じゃあ思いっきり数字を変えたら無音になるだろうか?
1、5、7、0……送信。
パン。
あれ……? 全部の桁の数字を大きくずらしたはずだが音が鳴った……?
そうか、ルールに「9と0は1ずれているとする」と書いていたな。
今回は一の位が1ずれていると判定され、「パン」が1回鳴ったというわけか。
今度こそ無音になるようにしてみよう。
8、4、1、2……送信。
……。
予想通り、全部の桁の数字を大きくずらした場合金庫から音はしなかった。
金庫のルールはこれくらいわかれば十分だろう。
しかし、入力するチャンスは1回なのにどうやって金庫の番号を特定するんだ?
理不尽なゲームを用意するはずもないので、謎を見ればその仕組みもわかるはずだ。
私が封筒を開いたとき、また天井から声がした。
「さっきは謎解きをやってもらったけど、次はパズルだよ。
パズルのテーマは”SOFTEN”。『柔らかくする』って意味だよ。
パズルには対応力のある柔らかい頭脳が必要不可欠だよね。
……ん? 怪訝(けげん)そうな顔をしているね。
ああ、『頭を柔らかくしろ』なんて言ったからひっかけ問題があると思ってる?
大丈夫、ここでやってもらうのはシンプルなパズルだから、論理的思考でちゃんと解けるよ。
まあ、要求する思考のレベルは高いから、頑張ってね」
なんておせっかいなヤツなんだろう。
封筒の中にはS、O、F、T、E、Nと割り振られた6問のパズルが入っていた。
〔Step2の封筒を開き、謎を解いてください〕
2つめの金庫の番号がわかったら送信しよう。
※半角数字で入力すること