「3人の解答が提出されました！ それでは優勝者を発表します！」

司会がアシスタントから手渡された封筒を開け、紙に書かれた番号を読み上げる。

「優勝者は、エントリーNo.6の選手です！」

そう。優勝者の番号も「紙に書かれていた」。
――決勝前の所長との会話を思い出す。

『準決勝であなたが負けた相手の「数字が減る異能力」の効果で、優勝を横取りします』

「ちなみに決勝の問題はどうやって解くんですか？」

『国旗とISO3166-1の数字コードを参考に、同じくISO3166-1の英字2文字のコードに変換すると「congress」という解答が……』

「難しすぎるということはわかったのでもう大丈夫です」

『では、今回見つかった異能力者を捕まえて取り調べをします。二度と大会で使えないよう異能力を封印します』

「よろしくお願いします」

所長からの無茶ぶりに何とか応えきり、ほっとしたのもつかの間。
試合後にまさかの事態が待っていた。

『ちょっと想定外のことが』

「何ですか？」

実は… と所長が切り出す。

『No.7の方、異能力を持っていません。シンプルに謎解きが強すぎて、一瞬で答えを導いていたようです』

え!?

「でも1回目の決勝戦では謎はほとんど塗りつぶされてたじゃないですか」

『見えている部分だけで答えを推測したらしいです』

「……」

『まったく不正はなかった、ということなので私の異能力を使ってNo.7の方を優勝にしておきますね』

「そうしてください……」

世の中にはまるで異能力のような謎解き力を持つ超人が存在する。
異能力を目の当たりにしただけでなく、そんな力をものともしない謎解き力をも目にしたあなたを、一日の疲れ以上の脱力が襲ったことは、言うまでもなかった。

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「異能力相談所 事件ファイル」
ディレクター/謎制作：立川茜
制作進行：和泉由香里　きむらなるみ
デザイン：原耕造
校正：伊藤紘子
謎監修：あらなみゆうた

「Mystery for You」
企画/制作：SCRAP
プロデューサー：きださおり　田口正也
サービス運用：鈴木ひかる　與座日向葵　江坂果穂
広報：髙波由希帆
クオリティチェック：櫻庭史郎
パッケージデザイン：加藤咲
システム：株式会社メタップスペイメント
エグゼクティブプロデューサー：飯田仁一郎　
製作総指揮：加藤隆生