「これのどこに証拠が？」
「STEP4は封筒を開けたときに謎用紙の上端がちぎれたはずですが、これはちぎれていません。ということはもとから金庫に入っていたということになります」
「元から金庫に!? しかしこれは被害者の家の金庫で……」
「金庫は普通その家の物。そういう先入観がありますが、謎解きをプレゼントするときに金庫を送ることはあります」
「あるのか……」
「この金庫は犯人が高野さんに罪を着せるために一緒に送ってきたのです。いっぽう被害者は謎を解けば金庫が開くのだろうと思って不思議には思わなかった」
「そうだとすると、今度はアンサーシートや問題が足りない状態で被害者が解いたということに」
「問題が足りなくても解けてしまうのが我々です」
「そういえばそうだったな……」

「これが罠だとすれば、いよいよ真犯人の手掛かりは無しか」
全員が諦（あきら）めかけたとき、あなたは違和感に気が付いた。
「まだ手掛かりはあります！」
「なんだと、聞かせてくれ」
「STEP4がちぎれていたのは封筒を開けたとき。他はすべて火で燃えて欠損したと考えていましたが、STEP【　】のうちの2問だけ様子が違います」