2025年1月末日

その日、佳苗は元気な赤ちゃんを産んだ。

巣倉神社で「大大吉」を授けてくれた神様は、本当に3つの願いを叶えてくれた。

「失くしたものが見つかりますように」
「大切な人、私の赤ちゃんに早く会えますように」
「大切な人、私の赤ちゃんが、私の手を握ってくれますように」

樹いつきと名付けた赤ちゃんを抱いた佳苗に、マコトは優しい声で「よく頑張ったね」と言った。
彼が顧問をしている高校のサッカー部のみんなもお見舞いに駆けつけてくれた。

佳苗はみんなに囲まれながら、そっと手編みの帽子を被った赤ちゃんの顔を覗き込む。
ふやふやと寝息を立てるその姿は、今までに見たどんなものよりも愛おしかった。
ただ見つめているだけで、これまで感じたことのない温かい感情が胸に溢れてくる。

「生まれてきてくれてありがとう」
佳苗はそう言葉にすると、目を閉じる赤ちゃんの小さな手に自分の指を重ねた。

「神様、願いを叶えてくれてありがとうございます」

空は清々しく澄み渡っており、
まるで樹の未来を暗示しているかのようだと、佳苗には思えた。

終わり

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おめでとう！ 見事に「叶えよ、かなえ。この願い」を解き明かした！
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