～翌日～
なんとか5つのメッセージボトルの謎を解き、出てきた文字を組み合わせてみる。
紙の端がつながるものとつながらないものがあるようで、やはりこれですべてではないのかもしれない。とりあえず出てきた文字をつなぎ合わせると……

『は』『しの』『さき』

はしのさき？ まさか、このメッセージボトルの差出人は橋野咲なのか……？
すぐに彼女が出勤してきた。

「先輩、おはよ～ございます～！ ねえ聞いてくださいよお、あたし全然謎解けなくて！ やっぱり協力して解きません～？」
「さっちゃんなの?! 差出人！」
「はあ？」
「謎を解いたらさっちゃんの名前が出てきたのよ！このメッセージボトル自作自演でしょ！」
「何言ってるんですか先輩？ あたしにこんな難しい謎作れるわけないじゃないですか！」
「あ、確かに……っていうか多分いくつもあるうちの5枚が、たまたまそうなっただけか……」
「自分で言ったけど、嬉しくないな……」

そんなやりとりをしている内に、ジェロさんも出勤してきた。

「おはよう」
「ジェロさん、おはようございます！ 謎、解けました？」
「ああ、解けたよ。はしのさき…… つまり、何処かにある“橋の先“に手がかりがあるんだ」
「あっ、そうか。そういう考え方もある…… っていうかそっちのほうがそれっぽい」
「もう。全然何言っているのかわからないんですけど～？」

3人で盛り上がっているところに、所長がやってきた。

「みんなおはよう。早速なんだが、伝えたいことがある」
「何でしょう」
「実は、また例の暗号化されたメッセージボトルが各地で発見されているようなんだ。ある程度まとまったら、また送られてくるらしい。この調査、しばらく続くかもしれないな」
「よーし！ 先輩、ジェロさん、次こそ負けませんからねー！」

「別に勝負はしてないけど。まあ、次にどんなメッセージボトルが来るか気になるね。紙の端につながりがあるのか、ないのか。今手元にあるものから現れた、一見『はしのさき』と読めるものは果たして合っているのか」

それから1ヵ月ほどして、海洋研究所に新たに8つのメッセージボトルが届いた。
付着物などから漂流したルートの解析を待ちつつも、まずは謎を解読して今度こそ差出人やメッセージの意味を突き止めるのが先だ。
砂綺帆達ははやる気持ちを抑えきれず、早速届いたボトルを開封し、紙を取り出した。

No.1の封筒を開けて謎を解いて、キーワードがわかったら入力しよう！
内容物：謎用紙…2枚