「だいせいどう…… そこにいるかもしれない！」
自分のひらめきを信じ、急いで大聖堂に向かった。
大聖堂の扉を恐る恐る開けると中には、数人の友人たちがいた。
そして、一番奥に金髪の外国人が立っていた。
「もしかして、レオさんですか……？」
「そうです！ ここまでたどり着くなんて、みなさん優秀です！ 見つけてくれて、ありがとうございます！」
レオさんと一通りやりとりを終えると、レオさんにこの場所でみんなの到着を待つように言われた。

しばらく待っていると、扉の向こうから声が聞こえてきた。
「……ということで、すべての謎を解き明かし、見事新郎が大聖堂にいることを突き止めた人、その方たちが今回の優秀な参列者となります！ さて、そんな優秀な方はいたのか、大聖堂の中をのぞいてみましょう。扉、オープン！」
声の正体は、あの探偵だった。

探偵の掛け声に合わせて扉が開き、そこには他の参列者たちもいた。
「ということで、ここにいらっしゃるみなさんが、今回新郎新婦の結婚の儀を最前列で見守ることができます！ では、見事新郎を見つけることができたみなさんは前方に向かってください」
探偵にそう言われ、先に大聖堂にいた私たちは前の席へ、それ以外の人たちは空いている席へ向かった。
着席の準備をしていると、今回の事件についてレオさんが語り出した。

「実は、新郎誘拐事件はウソだったんです。みなさん、ダマしてしまって申し訳ございません。日本にはとてもエキサイティングなエンタメがたくさんあります。中でも私はリアル脱出ゲームというものがとても好きで、ホノカと毎週のように遊んでいます。そこで『私も何か謎解きを作ってみんなに遊んでもらいたい』と思い、このイベントを企画しました。ホノカが私のことを誰にも言っていなかったのは、私がオーストラリア出身であることを謎解きの大きなひらめきにするためだったんです。だからホノカのことは責めないでください。では、今回のイベントに力を貸してくれた人を紹介します。まずは、謎解きのアドバイスをしてくれた、謎制作団体スクラッチのクロキさん！ そして、私のわがままを聞いてくれた、妻のホノカです！」

レオさんの合図で、大聖堂内の照明が消えた。
そして、クラシックが鳴り響き、大聖堂の扉にスポットライトが当たった。
扉が開くとそこには、今までで一番綺麗なホノカがいた。

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大聖堂での結婚の儀も終わり、披露宴会場に戻ってきた。
新郎新婦からのサプライズイベントはなかなか楽しかったので、今度ホノカと一緒にリアル脱出ゲームに遊びにいくことにした。

「ということで、謎解きウェディング『新郎誘拐事件を解決しろ！』は以上で終了となります。ここからは、楽しい楽しい披露宴となります！ 司会は、スクラッチのクロキが行なわせていただきます！ まずはじめに、新婦からのブーケトスを行ないます。ではみなさん、前に集まってくださ〜い」

ブーケトスという言葉に反応して、友人たちは勢いよく前へ集合した。

「ではホノカさん、お願いします！」
「ちょっと待ってください……！ その……ブーケがないんです！」
「なんですって？」
「ふふふ、そのブーケは私が隠しました！ 私のしかけた謎を一番早く解き明かした人がブーケをゲットできます！ では、謎解きゲーム『ブーケを見つけだせ！』スタートです！」

また謎解き?!
……でも、それも悪くないかもしれない。
一体誰が一番最初に見つけだすことができたのか、それはまた別のお話……。

END