Mystery for You 多すぎる犯行予告からの脱出 第3章
「やぁ、頑張ってるようだね」
変声機で声を変えているので、録音しても声紋から人物を特定するのは難しそうだ。
「誰だ、お前は?」
「このテロ計画の、首謀者だよ」
「首謀者!? ってことは全部お前が仕組んだのか!?」
想像もしていなかった展開に、あなたは思わず声を張り上げる。
「そう、テロリストたちが今日の同じ時間に犯行を行なうようにしむけたのさ」
「お前が働きかけたというのか?」
「そう。技術は一流だから、やることだけやってもらった。君もさ、違和感あったでしょ? 同じ日の同じ時間に色んな集団のテロが発生するなんてそんな偶然起こる訳ないじゃん。しかも海外を拠点にしている団体だっていたんだ。そんな人たちが日本語で犯行予告なんてすると思う? 僕が協力してあげたのさ!」
電話越しに高笑いが聞こえてくる。
「っ…何でこんなことを!?」
「まぁまぁ、それは後で話すよ。それよりも、リーダーさんに良いことを教えてあげるね。実は…… 装置はもう1個あるんだ!」
次々と明かされる事実に、気が遠くなるのを必死で繋ぎとめる。
「もう1個だと!?」
「そう、もう1個。ちなみに、この謎が解けなかったら発電所に近い送電用の塔、全部爆破しちゃうからね! 電気が来なくなっちゃって、イベントどころじゃなくなっちゃうね?」
「いい加減にしろ! もうやめてくれ!」
「いやだね、装置はどこかにあるから。謎の画像はメッセージで送っておくよ。じゃあね」
一方的に通話は切られ、息つく間もなくURLが送られてきた。開くと、謎の画像が現れた。