Mystery for You ほんとうのプレゼント18
あなたはミユの【記憶のかけら】を解き明かした。
さらに記憶を覗きみることができそうだ。
12月24日の夕方。カーテンの隙間から、夜の色が少しずつ部屋にしみこんでくる。
窓の外では、ツリーの電飾や、家々のイルミネーションが灯っていた。キラキラしているのに、ミユの胸はちっとも明るくならなかった。
「……やっぱり、ママは今日も遅いんだろうな。」
ママは、パティシエ。クリスマスの時期は、お店が一年でいちばん忙しくて、イブの夜に家で過ごしたことなんて、ミユの記憶にはなかった。
テレビでは、「家族で過ごす、幸せなクリスマスの時間」なんて言葉が流れてくる。 それがまるで、遠い国の話のように感じた。家に響くのは時計のチクタクという秒針の音。少しだけ胸の奥がチクリとした。
ほんとうはね。サンタさんへのお願い、ママに「なにをお願いするの?」って聞かれたとき、ミユの頭の中にはすぐに浮かんだことがあった。
でも――
その気持ちは、喉の奥でつっかえた。
ママが毎日、眠る間も惜しんで働いているのを知っていたから。
でも今、時計の針を目で追いながら、ミユは思った。
「まちがえちゃったな。本当にほしいもの、言えばよかったな。」