Mystery for You 世界を笑顔にするシゴト04
なんて優しい子なんだ。願いを叶えないわけにいかないなこれは…
そう心に決めてから数日が経ち、日付は12月24日。
私は看護師さんの笑顔に見送られながら病院を後にし、帰路についていた。
今日は約束の日、帰りがけのお店でプレゼントも入手し自宅に到着する。玄関を開けると、数日ぶりに我が家の空気が体を包み込み、安堵した。
やはり自分の家が一番である、なんて思い返している場合ではないか、準備を急がねば。
慌ただしく体を動かし、おおかたの準備が完了、後は着替えるだけとなった。が、服を入れているクローゼットに鍵がかかっていることに気付く。
4桁の数字か… 何だったっけ…? そもそもなんで鍵なんて…
あー… でもそういえばそんなことをしていた気がする。
もし中を見られたらこんな普通の人間がサンタだということがバレてしまう。
そうなれば子供達の落胆の顔は免れない。まぁこの家に子供が来ることなんてないはずなのだが。
と、勝手にかなしい気持ちになりつつも、こういうときに備えて解錠番号のヒントをメモに記していたことを思い出す。
えーっと確かこの辺りにしまっておいたはず… あったあった、これだこれ、んーと、なんだって?
どうやら番号を知るには、ロッカーの中に入ってる服の色の情報が必要らしい。と言っても、ここに入っているものなんて今求めているあのコスチュームでしかないだろう、簡単な話だ。
4桁の解除番号がわかったら入力しよう。