Mystery for You STREET NAZO ART_05
「先週先輩が解いてくれた、4つの謎があったでしょ? あれの答えが、予言になっていたんですよ!」
あまりにありえない話なもので、よそ見をしながら軽く頷きだけを返す。しかし丸尾は気にせず真剣な顔で続ける。
「まず、“ゴッド”。これは大神通りを指しています」
大神通り、橋元市の一番西側を南北に走る通りの名前だ。
「次に“ボクシング”は献灯通り。献灯=拳闘=ボクシングという訳です」
献灯通りは橋元市の一番南を東西に貫く通りである。
「そして“トウセン”は新聞屋ですね。宝くじの当選番号は昔から新聞に載りますからね。つまり、これら3つの答えは、橋元市内の特定の場所、大神通りと献灯通りの交差点にある新聞屋さんを指しているんです!」
あまりに強引な結びつけに思わず笑ってしまうが、よく考えるものだと感心しなくもない。逆に続きが気になってきて、話を促した。
「なるほど? それで、“スポーツ”は?」
「聞いて驚かないでくださいよ……?! なんと、スポーツ新聞がいつもの2倍以上売れて、売り切れになったそうなんです!」
なんともスケールの小さい予言である。
なんだそれ! と大笑いする。
「いやいや、言ったら悪いですけど、お客さんなんて常連のおじいちゃん何人かしかいなさそうな、あのボロボロの新聞屋でですよ?! 普通だったらありえないことですって! それを的中させたんです、これは予言ですって!」
「わかったわかったすごいすごい、じゃ、仕事始めるぞー」
町の古い新聞屋なら、いつもの2倍といっても、数部単位の話に違いない。
はなから予言なんて信じていない俺は、適当に話を切り上げた。
この時ちゃんと取り合っていれば……と、後から悔やむことになるのも知らず。