Mystery for You STREET NAZO ART_10
俺は、多趣味(しゅみ)な方だと思う。
それに、ただ楽しむだけではなく、自分も作り手側に回ってみたくなるタイプだ。
食べ歩きにハマったかと思えば、気づけば自宅には多種多様な調理器具とスパイスが揃っていた。
好きなミュージシャンができたかと思えばDTMを始め、アニメの影響(えいきょう)でキャンプを始めた。使いこなせない一眼レフカメラとレンズは、最近ではインテリア小物として活用されている。
そして俺が最近ハマったのが、それも今までで一番夢中になったのが、ストリートアートと謎解きだった。
ブログもSNSもやっていないので、どんどん増える謎解きのネタ帳は、日の目を浴びないまま溜(た)まっていく。
そして、ふつふつと燃える、ストリートアートへの憧れと衝動(しょうどう)。
それらを抑(おさ)えることが出来なかったのだ。暴発したといってもいいだろう。
かくして、シンクボーイは誕生した。
自身に予言の力など備わっていないことは、明らかである。
だが、もしなんらかの不思議な力で、描いた謎の答えが現実となってしまうのであれば、相当マズいことになる。
「………んぱい、せんぱーい!」
丸尾の声で、我に返る。
「なんかもう自分、確認するのも怖(こわ)くなってきてるんですけど、一応ですね………」
「次のストリートアート、だよな。解こうぜ」
とは言っておくものの、2日前の日曜、自分自身が作成したものである。解法も答えもわかっているが、少し考えるフリをしながら、丸尾に答えを伝えていくことにした。
~封筒④『2026年3月23日 橋元市内 壁面汚損事案 状況資料』を開封してください~
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