Mystery for You STREET NAZO ART_エンディング
丸尾と二人で急いで現場に向かい、矢印を上書きして謎の答えを変更(へんこう)することに成功した。
REIWA、MOMO、HON、LEMON。
零和(れいわ)通りと山桃(やまもも)通りの交差点付近にある本屋、街角書店へと向かう途中(とちゅう)、八百屋によって檸檬(れもん)をひとつ入手する。
本屋につくと、急いでいくつかの本を積み上げ、その上にちょこんと檸檬をのせた。
そう。「黄金色に輝(かがや)く恐(おそ)ろしい爆弾(ばくだん)」である。
本屋にこっそりと置いた檸檬一つを爆弾に見立てた、梶井(かじい)基次郎(もとじろう)の歴史的名作『檸檬』。
「ドカン!」という工場での爆発の予言が、たった三種類の矢印を上書きすることによって、文学作品のオマージュへと変わったのである。
さらに奇(き)しくも、今日3月24日は梶井基次郎の命日、「檸檬忌(れもんき)」だ。
この見事な上書きに、文句を言うものはいないであろう。
「じゃあ後は頼(たの)んだぜ、SNSで”バズらせる”ってやつ。自作自演は十八番だろ?」
「意地悪言わないでくださいよ~!」と文句を言いつつも、しっかりといろんな角度から檸檬の写真を撮(と)りながら、丸尾は笑った。
「いや~それにしても先輩、すごすぎですよ! とっさの機転で、謎解きの答えをすぐに全部変えてしまうなんて! 先輩ってもしかしなくてもめっちゃ謎解きマニアですね…?! それか、先輩がシンクボーイだったり………!」
ギクッとしたのを悟(もど)られないように、いつものように言う。
「何バカなこと言ってんだよ、ほら、そろそろ仕事戻るぞー」