Mystery for You 私が運命の人に出会うまで 【ミツキとのいちごの話】
【いちごの話】
「じゃあ、いちごについてはどう思ってる?」
「え…」
「いちごのこと、好き?」
「…うん、そうだよ。ずっと好きだったよ」
「だよね、美味しいもんねぇ」
「食べ物のほうじゃなくて…」
「ん?」
「今、目の前にいるいちごのことが好きなんだ」
そう言うと、ミツキはポケットから黒い封筒を取り出した。
「これ、俺からの気持ち… 読んで。返事待ってるから」
それだけ言い残して封筒を押し付けると、ミツキは早足に去って行ってしまった。
気付けば、自宅の前まで戻って来ていたようだ。
突然のことに呆気にとられたまま、私はただミツキの背中を見つめることしかできなかった。
【黒い封筒を開きましょう。】