2024年8月。今日も暑い。
日本のどこかにある市、北野市。あなたは脱出ゲームが好きな高校生だ。

すでに夏休みに入ったが、今日も部活の一環で学校に来ている。

「あぁ。この部屋にクーラーがついていたらもっと過ごしやすかったんだろうけどなぁ…」
そんなことを思いながら今は部室にて、1人でとある準備をしている。

そう、ナゾトキウォークラリー開催の準備だ。

山下先輩が作ってくれた謎、それをたくさんの人に解いてもらうこと。
「誰にも解いてもらえない謎ほど、悲しいものはない」なら、もう一度準備してたくさんの人に解いてもらえばいい。

幸いなことに、キットはほぼそのまま使うことができた。温泉と高校の地図記号を入れ替えるだけで、すべて成り立つ。
先輩に別れを告げた翌日、顧問の先生の所に行き、高校生チャレンジに参加したい旨を伝えた。
北野日報社さんにも快く受け入れてもらい、問題用紙の簡単な調整と刷り直しと、機械の再調整のみで済みそうなことから、今年の参加が決まったのである。
幽霊部員だった来ていないあの子も、当日はスタッフとして参加してくれるそうだ。

「先輩の思い、僕がきちんと皆に届けます」
そう心に誓い、空を見上げたとき、窓から強い風が吹いた。

まるで先輩が、がんばれと応援してくれているような心地よい風だった。

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おめでとう！ 見事に「山下先輩は、　　　　　を待っている。」を解き明かした！
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