忘れ雪の君をさがして 秘密のカセットテープ chapter3
バラバラになっていたカセットテープが少しずつ、つながっていく。
「……そういえば、カセットテープの直し⽅を教えてくれたのもあの⼦だったっけ」
古い記憶がよみがえる。
わたしがカセットテープの使い⽅に⼿間取っていたとき、⾒かねたあの⼦が⼿伝ってくれたんだった。
ひとりぼっちだったわたしに話しかけてくれて、仲良くなってくれたあの⼦。
⼿を差し伸べてくれた唯⼀の友達だったのに、ささいなことがきっかけで仲違いしてしまった。
「あのときのわたし、本当にバカだったな……」
⻑くなったカセットテープを⾒ながら、わたしは⼀⼈つぶやく。
まもなくひとつながりになるカセットテープ。
ちょっと暗くなった気持ちが影響しているわけではないだろうけれど、あちこちがいびつによれたその姿は、どうにも痛々しく⽬に映った。
……本当に、このカセットテープを再⽣することはできるんだろうか?
カセットテープを再生しよう
カセットテープを再生し、キーワードを導こう
