忘れ雪の君をさがして 秘密のカセットテープ chapter4
ラジカセから聞こえるノイズ⾳にため息をついて、私はカセットテープを取り出す。
ひとつながりになったものの、⻑い音声テープが絡まってしまい、やはりうまく再⽣することができなかった。
あのとき、うまく仲直りの⾔葉が⾔えなかった⾃分の⼼とまったく同じだ。
不器⽤で、いじっぱりで。⾔葉が⼼の中で絡まって気持ちを伝えることができなかった。何もできない⾃分。
よれたカセットテープを直す⼿が、もどかしく動く。
「あっ……」
じれったい気持ちが災いしたのか、⼿元からテープが滑り落ちた。
机の上に落下したカセットテープが古いペン⽴てを倒し、中⾝の鉛筆が散らばる。
「ああ。もう……」
何やってるんだわたし、と⾃分をいさめながら、ペン⽴てを起こし、中⾝を元に戻す。
「……鉛筆?」
ふと、かつてあの⼦が教えてくれた⾔葉が脳裏をよぎる。
そうだ。カセットテープが絡まってしまったときは、これを使って……
もう一度カセットテープを再生し、ゆずきのメッセージを突き止めよう
音声テープとカセットにある7色の長方形を、同じ色同士が向かい合わせになるように重ねよう
ただし、問題用紙には折り目をつけてはいけない丸い穴に現れる指示を実行したら音声テープを再び開き、カセットテープの再生方法をもう一度確認して再度カセットテープを再生し新たなメッセージを導こう
