SIA極秘ミッション CLEAR
「クリスマスに空港で取引? サンタにでもなったつもりかよ!」
「ちょっとクラッシュ。勝手に入ってくるのはやめなさい」
「やっぱり新人の活躍は気になるからな!」
「あんまり調子に乗らないように。とりあえず、取引の詳細は十分にわかりました。あなたのおかげよ、ありがとう。あとはクラッシュに任せます」
「これだけ情報がそろってりゃ、問題ないな。こんな任務簡単にクリアしてやるよ!」
「まさかとは思うけど、また無茶な真似をするつもりじゃないでしょうね?」
「大丈夫だって! あのときみたいに車でド派手に乗りつけて、全部まとめて片づけてやるさ! ……そういや、俺が撃たれてから何してたか、お前にはまだ話してなかったよな? 新人」
「確かに、撃たれてから車で乗り込んでくるまでの話はしてなかったわね」
「まず俺は、撃たれて動けない中、VILLANDの包囲からどう抜けるかを考えたんだ。でもな、そこで思い出した。あのエキサイティングなドラッグ、ムーンシャインのことをな。ちょうどすぐそこにはムーンシャインがあった。俺は迷わず手に取って飲み干したね。飲んだ直後にはもうムッキムキさ!」
「モンスターになるって夢が叶ってよかったじゃない」
「まあな! ちょうどそのとき、お前たちが倉庫に潜入しようとしてるのが見えたんだ。だから俺は薄れる意識の中、倉庫にいたVILLANDの連中をビビらせて、お前たちがムーンシャインを盗みやすいようにしてやったのさ」
「そんなこと言って。どうせたまたま倉庫にいただけなんでしょ?」
「おいおいマダムそりゃないぜ」
「モンスターになったクラッシュに気が付いたのは、あなたたちにクリップペンシルを渡したうちの職員よ。私が無毒化したムーンシャインを作り終えた頃、その職員が『倉庫にいるモンスターはクラッシュかもしれない』って教えてくれたの。きっと銃弾の痕に気が付いたのね。それを聞いた私が急いで駆けつけてクラッシュを元に戻して、『ちょうどいいタイミングでMr.ピース目がけて車で突っ込んできなさい』って指示したわけ」
「車と一緒に“クラッシュ”しろって、最初聞いたときは、きついジョークかと思ったぜ」
「冗談はやめて。でもまあ確かに、私も“あなただから”頼んだってところも、なくはないわね。無茶はするけど、ギリギリのところで結果だけは出してくる。……そういう無鉄砲さもスパイには大切よ。新人のあなたにも期待しているわ」
「ああ。クレイジーな伝説、今度はお前の番かもな。ド派手にやれよ、新人!……俺がワクワクするくらいにさ!」

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