Message in a Bottle 団員おまけ謎 CLEAR!
すべての謎を解き明かしたシャーロットは、1つの言葉を導いた。
「MIRACLE(奇跡)」
その言葉は、彼女に1つの記憶を思い出させた。 父がこの世を去った、あの晩の記憶だ。
ベッドに力なく横たわる父の姿。 真っ直ぐにシャーロットを見つめる、優しく澄んだ瞳。
そして、最後の力を振り絞るようにささやいた言葉。
「シャーロット、もう1度”奇跡”を信じて」
あの晩、父はそう伝え終わると少し寂しそうに微笑み、そして静かに息を引き取った……。
思いがけず蘇った父との最後の記憶に、シャーロットの瞳からは涙がこぼれていた。
その姿を見て、駆け寄ってきた人物がいた。
父の死後、シャーロットの面倒を見てくれている養父のブラウン氏だ。
「シャーロット、大丈夫かい? 手術が怖くなってしまった?」
「心配しなくても大丈夫。 私も、そして天国にいる君のパパとママも、みんな君を応援しているんだから 」
心配そうな顔で様子を伺うブラウン氏に、シャーロットは涙を拭きながら尋ねた。
「この”奇跡が手に入る”っていう不思議な手紙、おじさんなんでしょ……?」
ブラウン氏はシャーロットが持っている手紙に目をやった後、小さく肩をすくめて申し訳なさそうに答えた。
「これから手術に立ち向かう君を、少しでも勇気づけたくて……。 気を悪くしてしまったならごめんよ……」
シャーロットは首を大きく横に振りながら言葉を続けた。
「違うの。 パパも亡くなる前に”奇跡を信じて”って私に伝えてくれたから……。それを思い出して……。」
「おじさんの言う通りね。 おじさんもパパもママも、そしてボトルを拾ってくれたあの人も、私を見守ってくれてるんだもの。 絶対に元気になって、もう1度奇跡は起こるって証明しなくっちゃ」
シャーロットは、翌日に控えた手術に向けてベッドに入り、目を閉じた。
そして、奇跡が起こると信じて見守ってくれる人がいる幸せを感じながら眠りについた。
父がこの世を去って、世界中でたったひとりぼっちになってしまったかのような孤独を感じたあの日の晩が、とても昔のことのように思えた。
The end.