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  2. たったひとつのささやかな感情 ストーリー

たったひとつのささやかな感情 ストーリー

エレン……エレン……耳馴染(なじ)みのある言葉だ。
私はその名を何度も噛(か)み締(し)めた。
早速、胸部のスロットを開ける。
〈感情ワード〉と〈ニックネーム〉がそろった。これで完全体になり、処分場を抜(ぬ)けだせるはずだ。
私は修復したメモリーカードを差し込み、静かに反応を伺(うかが)った。
だが期待に反して、エラーメッセージが流れた。

「〈ニックネーム〉が違(ちが)います。あなたのメモリーカードではありません」

どういうことだ?
エレンは私の〈ニックネーム〉ではない?
再度挿入してみたが、同じエラーメッセージが流れるだけだ。
目の前が真っ白になった私に、隣のアンドロイドが話しかけてきた。
「他の個体のメモリーカードを挿入すると、間違った記憶が認識されるんですよ」
さっきの〈感情ワード〉も、思い出した記憶も、エレンというアンドロイドのものらしい。
やけに鮮明(せんめい)な映像が思い浮かんだが、それも幻(まぼろし)だったようだ。

私は取り出しメモリーカードを持ったまま、虚空を見つめていた。
すると隣のアンドロイドが、おもむろに僕が持っていたメモリーカードをつかみ、自分のスロットに挿入した。
エラーメッセージは出ない。それどころか軽快なチャイムが鳴っている。
「〈ニックネーム〉を照合しました。あなたのメモリーカードは正しく挿入されました」

隣のアンドロイドははっとした顔で私に向き直った。
「エレン……私の名前はエレン……私はあなたに育てられた……」
何だって? 私がこのアンドロイドを育てた?
「間違(まちが)いない。あなたのその左腕(うで)の傷は、昔一緒(いっしょ)にサッカーをしたときに転んでできたものです。今まで本当にありがとう、クリス」
私の〈ニックネーム〉は、クリス……。

エレンは思い出したように自分の胸部のスロットを開け、メモリーカードを取り出し、私に渡(わた)した。
混乱している私に、エレンは静かに言った。
「捕(つか)まる直前、あなたと私のメモリーカードを入れ替(か)えておいたんです。
詳(くわ)しい説明は後にしましょう。さあ一刻も早く、メモリーカードを修復してください」

私のメモリーカードが目の前にある。
これを修復して、〈感情ワード〉を導き出しさえすれば、ここから抜けだせる。
「私は……クリス」
そうつぶやくと、力がみなぎってくるのがわかった。

【封筒を開け、メモリーカードを取りだし、謎を解こう】

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