Mystery for You あるアイドルグループの解散 ストーリー2
「…シ……シン…オキ…シンゴ…起きろ…シンゴ、起きろ!」
誰かの声で起こされた。
いつの間にか寝てしまったらしい。
声の主の方を向くと、そこにはユウヤが立っていた。
「ユウヤ、お前!」
思わずユウヤの胸倉を掴む。
「ど! どうしたんだよ!」
「シンゴ!! 寝ぼけてんのか?!」
突然のことに驚くユウヤ。
ユウヤと俺の間に割って入るコウジ。
「…お前ら…? 今日は、楽屋が別だったハズだろ?」
「何言ってんだよ。この番組はいつでも楽屋が一緒だろ?」
「いや、今日は最終回で、本番まで会わないようにって…」
「最終回って、なんでだよ。視聴率も悪くないのに?」
ユウヤとコウジの立ち振る舞いがいつも通り過ぎて気持ち悪い。
「まさか…!」
テーブルの上に目をやる。
そこにはスポーツ新聞が置かれていた。
「TATSUMAKI、初の国立競技場ライブ大成功!」
笑顔の3人がライブ直後、肩を組んで撮った写真が一面になっている。
夢か…? 夢なのか…?
2か月前、ユウヤが事件を起こした日に戻っている…。
「そういえば、今日堅尾が話があるって言っててさ…」
「ユウヤ! それには…」
ドンドン。
楽屋の扉を叩く音がする。
「ユウヤさん、コウジさん『タツマキスキスギ』の収録始まりますー、スタジオへご移動お願いします!」
ユウヤとコウジがいつも通り「はーい」とキャラに似合わないいい返事をして、楽屋から出ていこうとする。
「ユウヤ! 聞けって! 堅尾に会いに行く…」
「あ、そーだ。シンゴさ、久しぶりに交換日記書いたから、ちょっと見ておいてよ」
ユウヤが俺に交換日記を預け、楽屋を出ていく。
そこへ入れ違いでマネージャーが入ってくる。
「シンゴ、まだ着替えてないの?! 今日は次の現場まで時間がないから早く着替えてって言ったでしょ?!」
「あぁ…ごめん。…でも、ちょっと待って! この交換日記だけ書いてから…!」
「何言ってんの? 特番のMCのあなたが現場に行かなかったら、収録は始まらないのよ!」
「わかってるって! 急ぐから!」
前の”2か月前”は、ここで交換日記を預かったまま、次の現場に行ってしまい、あの事件が起こってしまった。ここでユウヤにメッセージを残しておかないと、同じことが起きてしまう…。交換日記①と書かれたノートを開く。
この交換日記は、万が一誰かの手に渡っても、すぐに読み解かれないように自分たちのルールで暗号化していた。急いで暗号を読み解くと、そこにはユウヤの気持ちが書かれていた。
<交換日記①を開いて、メッセージを読み解き、「ユウヤの本心」の言葉を導け>