宛先知らずのラブレター STEP1-2
手紙の宛先がわかったあなたは、この手紙を配達することにしました。目的の和菓子屋には暖簾(のれん)が出ており、今日も営業していることがわかります。
あなたは、店先に立つ着物の女性にそっと声をかけました。
「手紙……? あの娘に?」
どうやら、彼女は宛先の人物の母親のようです。あなたが事情を説明すると、彼女は悲しそうな表情を浮かべました。
「手紙を届けてくれてありがとう…… でも、娘はもう亡くなったんです」
「えっ?」
あなたはその言葉に衝撃を受けました。この手紙は名実ともに「届かなかったラブレター」になってしまったのです。あなたはなんだか切ない気持ちになりました。
「これもご縁ですし、娘に線香をあげていってもらえませんか? その手紙も一緒に仏壇に供えられればと……」
あなたは母親の言葉に頷(うなず)き、店の裏にある家へと上がらせてもらうのでした。
仏壇には、大学生くらいの女の子の写真が飾られています。確かに笑顔の似合う、明るい雰囲気の女性でした。
「娘はね、自殺だったんですよ。私はそうは思ってないんですけどね…… 遺書も何もなくて。何が原因だったのかわからずじまいですよ。それも、ひな祭りの日でね。片付ける気も起きなくて、ひな人形もそれから出しっぱなし。あの子が死んだっていう公園にも行く気にならなくて……」
仏壇に手を合わせ、母親に礼を言ってから、あなたは和菓子屋を出ました。その手元には、まだ2通の手紙が残っています。
あなたは残り2通の手紙を早く配達してあげたいと思いました。
……また「届かなかった手紙」になってしまわないように。
そんな気持ちを胸に、今度は水色の封筒を開くのでした。
【青色の封筒を開き手紙を読もう。手紙に込められたメッセージがわかったら、WEBに入力しよう】
青色の封筒の内容物:手紙…1枚