怪人眠るオペラ座からの脱出 クリアファイル謎 NOT CLEAR
そう。かつての5番ボックス席は、現在の9番ボックス席だ。
現在のボックス席の番号は上手から順に数字が振られているが、昔は下手から順に数字を振っていたらしい。
ちょうど上手の端が見えたこの場所は、現在の9番ボックス席にあたる。
怪人が居た「真実の5番ボックス席」に気づけてよかった。勘違いしていたら、謎を解くことはできなかっただろう。
そしてついに、金庫を開けることができた。
「おお、素晴らしい!! これだ、これが欲しかったのだ!! なるほど、これは大変だ……今ここでこれ以上の進展はない。よし、君はもう帰っていいぞ」
何やら支配人が興奮している。
何があったのかはよく見せてもらえなかったが、何か大切なものが入っていたのだろう。まだ何か暗号があるなら解きますと伝えたが、支配人は何かを悟っているようだった。
「いや、これはもう私と君の手だけでは負えないようだ。後日改めて明らかにする。その時はまた来てくれたまえ」
何を言っているのかよく分からなかったが、このオペラ座にはまだ何か秘密があるようだ。好奇心と不安を残し、私は5番ボックス席をあとにした。
そしてまさか、あんなパーティが行われることになろうとは……
END