岡留斗高校失踪事件
「来てくれたんですね。」
まだ声変わりをしていない高い声が印象的だった。
早朝のひとけのいない公園で私に声をかけてきたのは息子と同じ制服を着た少年だった。
詰襟のボタンは一番上まで閉めており、背は高いが痩せ型で肌は青白い。
少年は私の反応を待ちつつ、黒くて重たい天然パーマの髪をかきむしりながらしきりにスマートフォンを見ていた。
反応に困っている私に気づき、少年は続けて口を開いた。
「申し遅れました。僕は新聞部で学校のニュースを調べたり発表したりしている「横田」と申します。
実は最近、息子さんの他にも失踪している生徒が何人かいるんです。
メールでもお伝えしましたが、生徒の間では『学校の7不思議の仕業』…だなんて言う人もいるんですが…。」
少年のビー玉のようなつぶらな瞳はまっすぐこちらを向いているが何を考えているのか読み取れない。
鼻下に薄い産毛のようなひげが生えた口元はうっすら笑っていた。
私は不審に思ったが、続きを教えてくれと頼んだ。
少年は楽しげに語り出した。
「息子さんの失踪の真相だと噂されている人が消える学校の不思議。人が消えるなんてそんなこと信じられませんよね?僕はオカルトの類を全く信じていないんですよ。これはオカルトなんかじゃなく、7不思議を利用した事件だと思うんです。」
少年は捲し立てるように続けて話し出した。
「失踪事件のせいで学校内は生徒や先生以外は立ち入り禁止になっていると思います。これもまた、怪しくないですか?学校には何か秘密があると思うんです。息子さんを探すために一緒に学校の7不思議の秘密を探りませんか?」
なんとしてでも息子を見つけ出し助けてやりたい。
不気味な少年だが、今は彼に頼るしかなさそうだ。
そう思い、私は首を縦にふった。
「ありがとうございます。7不思議は全て繋がっている気がするんです。
実は「夜に徘徊する青い亡霊の不思議」についてすでに情報を集めてみたんです。お渡ししますね。」
そう言うと横田は私に封筒を差し出した。
封筒1を開こう。
開いたら「次へ」を押そう。
【次へ】