Mystery for You ほんとうのプレゼント16
あなたはミユの【記憶のかけら】を解き明かした。これで記憶の裏側を覗きみることができるようだ。
12月23日、リースの上の時計が夜の7時を指した頃。
ママが、少しだけはにかんだような顔で、ミユの隣に座った。
「ねえミユ、こないだ一緒に描いたケーキの絵……あれ、お店に飾ってもいいかな?」
ミユは、クレヨンで描いたケーキを思い出した。
ショートケーキ、チョコレートケーキにタルト。2人で描いた、たった一枚の絵。
「……おみせに?」
ミユは小さな声で聞き返す。
「うん。あの絵、とってもかわいいし、みんなにも見てもらいたくて。お店のポスターにしたら、ケーキをもっと楽しみにしてくれる人が増えると思うの。」
ママは笑っていた。やさしい声だった。
でもミユの胸の中には、小さなざらざらした気持ちが残った。ミユとママだけの、ふたりだけの絵だったのに。お店のものになっちゃったら、なんだか、どこかに行ってしまう気がした。
言いたい気持ちと、うなずきたい気持ちがぶつかって、ミユはしばらく黙っていた。
やがて、小さく頷いた。
「……うん。いいよ。」
ママは「ありがとう、ミユ」と笑って頭をなでてくれたけど、ミユの心には、まだ答えが出せないままの気持ちが残っていた。
※下線部は他の紙等にメモしておこう