あの一件からしばらくして、いつもの日常に戻った私は以前のように深夜まで仕事に追われていた。やっとの思いで帰宅すると、見覚えのある封筒が届いていた。あの日地下鉄で男から受け取った物と同じだ。
ソファに腰をおろし、封筒を開けた。
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親愛なる友人へ

まずは、無事に仕事をやり遂げたようだな、私が見込んだ通りだ。
素晴らしい働きだった、ありがとう。

この手紙で、今回私が君にCIAの任務を依頼した理由を明かしたい。

私は、君が日々の忙しさに追われて疲弊してしまっていると多くの友人から聞いた。君が本当の自分を見失っているのではないか、君に自分を取り戻してもらうには何かきっかけが必要だと感じた。 人生の中で自分自身を見つめ直す機会が必要だと。

君が素晴らしい才能と情熱を持っていることを私は知っている。今回の任務で、自分自身を再発見し、本当に大切なことに気づくきっかけになってくれればと思った。強引ではあったが、匿名で依頼したのは、それが理由だ。

学生時代、私は進むべき道が見えず、自信を失いかけていた時があった。そんな時、君は思いも寄らないアドバイスと励ましで、私に新たな一歩を踏み出すきっかけを与えてくれた。あの時の君の言葉が、私に勇気と方向性を与え、私の人生において重要な選択に勇気を持たせてくれた。

本当に感謝している。そして今、私が君に、何かを返す番だと考えた。私が今の仕事につけたのも、君の存在があったからだ。だからこそ、私は君に感謝の気持ちを込めて、この手紙を書いている。

君の心が、冒険をやめないことを願って。

アメリカ合衆国 大統領補佐官
君の永遠の親友　ダニエル・ホーソン

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すべての疑問が晴れ、ホッとした一方で、古い友人からの思いに胸が熱くなった。

翌朝、いつも通りの道を歩き地下鉄に乗り、仕事に向かう。
街ゆく人々、無線でやり取りする警察官、ベンチで絵本を読む子供。いつも通りの景色は、少し違って見える気がした。

end.

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「コードブレイカー　CIA分析官」