「落ち着きました、ありがとうございます」
「はい、お大事になさってください」

最後の患者が帰るのと入れ替わりで、先輩が戻ってきた。
「ひとりで処置ができたようだね」
「先輩が残してくれたメモのおかげです！」
先輩の手に持っているのは判別カードだろうか？
「そういえばこの判別カードって全部同じつくりのはずなんだけど…… あなたさっき、たぬきとかとりいとか言ってたけど、何のこと？」
「え、だって、そこに……」
「そんなこと書いてないよ？ あ、もしかしてあなたにはこれが謎に見えていた？」
……
……
……
「あぁ！ 私がナゾトキシンドロームになっちゃったってことですか？
そうなんですか？ 判別カードは謎になってないんですか？ アイテムの名称も謎になってなかったんですか？
私は先輩よりもたくさん謎を解いてたってことですか？」
「そういうことだね。アイテムの名称を見つけるのに時間がかかるなと感じていたけど、はじめてだしそんなもんかと思ってた。これは大変……」
「…やったぁ！ 謎がたくさん解けて嬉しいです！ この仕事してて本当に良かったです！」

　

「こちらナゾトキ救命救急センター」