宛先知らずのラブレター エンディング
先輩の家の場所を導き出したあなたは、急いで先輩の家に向かいます。
先輩の無事を祈りながら、必死に足を動かしました。
「!」
そうしてレコード屋の近くに来たとき、あなたは不審な人影に気づきました。こんなに暑い夏の日に、黒い長袖のパーカーを羽織り、フードを被っています。何より、手に持っている何かを隠すような動きをしながら、店の様子を窺(うかが)っているのが気になります。
あなたは間違いの可能性はゼロではないと思いつつも、こっそり携帯から110番に通報しました。もし、そこにいるのが本当に連続殺人犯だった場合、とてもあなたの手には負えないからです。
係員が電話に出ると、あなたは事情を説明しました。すぐに警官が向かってくれるそうです。とはいえ、数分はかかるとのことでした。
店に押し入るタイミングを図っているような男を、物陰から観察します。事件が起こる前に、警官が来てくれることを願うばかりです。
やがて、ガタイのいい男性が駆け足でやって来ました。男を刺激しないように、私服で来てくれた警官のようです。あなたは胸をなで下ろしました。
「すみません、少しよろしいですか?」
「……はい?」
警官が男に話しかけます。数分話したところで、男が脱兎(だっと)のごとく駆け出しました。
「あっ!」
あなたの口から、思わず声が漏れます。
しかし、すぐに警官がそれを追いかけ、男を確保しました。
「くそっ、くそお……!」
男は口汚く警官を罵(ののし)っています。やはり、男が犯人で間違いなかったようです。
やがて、パトカーが来て男を連行していきました。これは後から知ったことですが、男が隠すように持っていたのは肉切り包丁だったそうです。こうして、男は御用となりました。
あなたは無事に先輩を守ることに成功したのです。
* * *
――それから数日後。
殺人犯の余罪が明らかになり、お茶の間を騒がせました。
「――容疑者は、好きになった相手にラブレターに見せかけた殺害予告を送り付け、その後犯行に及ぶという奇行を繰り返し、5人もの女性を殺害していました。中には、行方不明者として届出が出されていた人物もいたようです。容疑者は事前に被害者に接触して合言葉を伝え、被害者だけがラブレターの意味を読み解けるように――」
この事件は「ラブレター殺人」と呼ばれ、犯人はやがて無期懲役の判決を受けました。
犯人逮捕のきっかけが、その手紙が偶然宛先不明となって郵便局に戻ってきたこと。そして、それを発見した人物が次の殺害現場を予測したことだというのを、あなただけが知っているのでした。
「宛先知らずのラブレター」Fin.
見事に「宛先知らずのラブレター」の謎を解き明かした!
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「宛先知らずのラブレター」
ディレクター:福本彩夏
謎制作:武智大喜
制作進行:来栖由佳
謎監修:堂野大樹
デザイン:長藤舞
校正:伊藤紘子
「Mystery for You」
企画/制作:SCRAP
プロデューサー:きださおり 田口正也
サービス運用:鈴木ひかる 髙波由希帆 来栖由佳
広報:遠藤紅実
パッケージデザイン:加藤咲
システム:株式会社メタップスペイメント
エグゼクティブプロデューサー:飯田仁一郎
製作総指揮:加藤隆生