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  2. Mystery for You クリスマスプレゼントを探して エンディング

Mystery for You クリスマスプレゼントを探して エンディング

「黒いうさぎのマークということは…… パパの部屋の金庫だわ。

 隠し場所、パパの部屋なんだ…… 正体を隠す気があるんだか無いんだか」

 

ユキはフフッと笑いながら、書斎を出て、隣の父親の部屋に入った。

この部屋は昔から少しほこりっぽくて、かすかに、古ぼけた紙の匂いがする。

 

ユキは部屋の片隅に置いてある金庫の前に立った。

小さな部屋には似つかわしくない、仰々しいダイヤル式の金庫だ。

 

「えっと、この金庫の暗証番号は…確か、パパが私の誕生年にしてたはず…」

 

そういってユキは、金庫のダイヤルをゆっくり回した。

 

「1」…「9」…

 

続いてダイヤルを回す。

 

「7」…「1」… 

 

番号を「1971」に合わせると、カチッという音がして金庫が開いた。

中から出てきたのは172色の色鉛筆セットと、古ぼけたメモだった。

今まで見付けてきた封筒と、同じ筆跡で書かれている。

 

「パパの字だわ」

 

メモにはこう書かれていた。

ユキはメモを読み終わると、金庫の中に入っていた色鉛筆を取り出して、抱きしめた。

そして、そっと涙を拭いた。

 

—母親から、父親の危篤を告げる電話を受けたのは5日前、仕事から帰宅した直後だった。

 

もう歳も歳だし、数年前から闘病していたこともあり、覚悟は決めたつもりになっていたユキだったが、いざそのときが来ると、さすがに気が動転した。

 

電話を切ったその手で荷物をまとめ、家を飛び出して新幹線に飛び乗った。

急いで出てきたお陰で、なんとか父親が息を引き取る前に駆けつけることはできた。

 

それからお通夜やお葬式を終えて、やっとひと息つけるくらい落ち着いてきた頃。

父親との時間を思い出そうと、この部屋で遺品を整理していたときに見付けたのが、父親の筆跡で「ユキちゃんへ」と書かれた封筒だった—

 

色鉛筆を抱きしめてうずくまっていたユキの背中を誰かの手がやさしくさする。

いつの間にか母親がそばに来てくれていた。

 

「あらその鉛筆、金庫の中にあったのね。懐かしいわ」

 

ユキが抱きしめているモノに気付いた母親が、小さい子どもに話しかけるように語り始める。

 

「ユキちゃん覚えてるかしら。あれは確か……1983年のクリスマスイブね。

パパ、急に大事なお仕事が入って、しばらく家に帰れなくなっちゃって。

だけどそのとき、クリスマスプレゼントに用意していたその色鉛筆をカバンに入れたまま、お仕事に出かけちゃってたのよねぇ。

 

プレゼントはママが代わりのものを急いで用意したけど、予定してた家族旅行にも行けなくなっちゃったもんだから、あなたすごく腹を立てちゃって。みんなに自慢しちゃったのに……って。

 

それでパパ、そのプレゼントを渡しそびれちゃったのね。ふふふ。

ユキちゃんが12歳のときだから、もうずっと昔のことだけど」

 

ユキは顔を上げて母親を見つめた。

母親はやさしくほほえんで、うなずいた。

 

「そうだったんだ。

パパ、あのときはごめんね。

そして素敵なプレゼントをありがとう。

 

私いま、あのときの夢を叶えているよ」

 

あの頃とちっとも変わらない懐かしい部屋の匂いを感じながら、ユキは抱きしめた色鉛筆に向かって、そう呟いた。

 

終わり

 

見事に「クリスマスプレゼントを探して」の謎を解き明かした!
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「クリスマスプレゼントを探して」
ディレクター/謎制作:江坂果穂
謎制作:川﨑風海
制作進行:来栖由佳
謎監修:堂野大樹
デザイン:まついみずき
校正:伊藤紘子 森﨑理紗

「Mystery for You」
企画/制作:SCRAP
プロデューサー:きださおり 田口正也
サービス運用:鈴木ひかる 髙波由希帆 来栖由佳
広報:遠藤紅実 豊田航平
パッケージデザイン:加藤咲
システム:株式会社メタップスペイメント
エグゼクティブプロデューサー:飯田仁一郎
製作総指揮:加藤隆生

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