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リアル脱出ゲームを深く知る10人の関係者インタビューvol.5 くるり・岸田繁

SCRAP黎明期にリアル脱出ゲームの芽となるイベントを共催したくるりのフロントマン

#10周年 #くるり #リアル脱出ゲーム #岸田繁 #関係者インタビュー

公開日:2017/04/07

リアル脱出ゲーム10周年記念企画として、これまで支えていただいた方々に取材を続けているこの記事。5回目に登場するのは、SCRAPとかかわりの深いミュージシャン・作曲家である、くるりの岸田繁さん。SCRAP代表加藤隆生と同じ京都出身、古くからの知り合いであり、「京都音楽博覧会」で宝探しイベントを共催したり、アルバム発売に合わせ大々的なARGプロモーションを行ったりと、実はリアル脱出ゲームが生まれたての時期に、さまざまなお仕事を一緒にさせていただいた仲なのです。

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加藤さんが僕のライブを褒めてくれて「俺は別の方法で成功する」と言っていたのが印象的だった

──まずSCRAP代表加藤とのかかわりから聞かせていただけますか?

加藤さんはロボピッチャーをやっていたので存在は知ってたんですけど、彼らが中心となってやっていたイベント「ボロフェスタ」と同じような場所で、僕は「みやこ音楽祭」っていうイベントをやっていまして、スタッフがかぶっていたりとか、それに付随したいろんなイベントで一緒になる機会が多かったんです。2005、6年ごろの話ですね。

──すぐに仲良くなったんですか?

最初はイベントの打ち上げで話したりしたくらいでしたけど、深く付き合うようになったのはもうちょっと後です。ライブも結構見に来てくれて。覚えているのは、くるりが横浜でオーケストラと一緒にライブやったとき(注:2007年12月のふれあいコンサートファイナル)に、すごく褒めてくれたこと。「これやられたら俺はもう音楽できへん、俺は別の方法でやる」みたいなことを言うてはったのが、すごい印象的やったんです。そのあとにリアル脱出ゲームで成功しはったんで、有言実行やな、すごいなと思いましたけど。

──「京都音楽博覧会」では、2008年から2012年までSCRAPと共催で『京都1000人の宝探し』というイベントを行いました。あれはどういった経緯で始まったんですか?

まあ面白そうやから一緒にやろか、っていうノリやったと思います。加藤さんは「リアルなRPGを作りたいんや」みたいなことを当時おっしゃってたような記憶があります。謎解き的な要素とかをプレゼンしてもらって、ああ、すごいなと。うまく行くか行かないか、どういうものか分からないけども、やってみようと。

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街歩き謎解きゲーム『京都1000人の宝探し』では毎回、クリアすると全員にくるりの未発表CDがプレゼントされた。また抽選による一等賞品は「くるりメンバーとすっぽん鍋を食べられる権利」だった。

 

──実際、宝探しイベントの反響はどうでした?

すごい食いつきが良かったんですよ。見ているとお客さんたちが引き込まれていたのが分かった。京都音博は地元の方も参加してますけど、他の地域からいらっしゃる方も多いんですね。そういう方たちはライブを見に来るだけじゃなくて、京都観光も一緒にしたいわけですよ。だからライブを見た翌日に宝探しに参加すれば、いろんなところに行ける。実際、「楽しかった、次の年も音博に行ってあれをやりたい」とおっしゃる方がすごい多かったんですよね。

──そういう宝探しの謎は、一回岸田さんも解いていたんですか?

一応資料をもらうけど、僕アホやから全然分からへん(笑)。でも参加者同士がいろんな情報交換しながら楽しんでいる姿をこっちは見てるので。

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盟友が音楽と別のことで成功したのは、僕にとっても勇気づけられること

──2009年にはアルバム『魂のゆくえ』のリリースに合わせ、SCRAPと組んでARGを使った大々的なプロモーションを行いました。あれは早かったですね。

当時加藤さんは言うてましたね、「ARGというものがこれから流行る」と。それで加藤さんと、ストーリーを盛り込んだものにしようとか、いろんな打ち合わせをしました。でも何ていうんかな……くるりっていうバンド自体の活動もかなり特殊な振り切り方をしている中でこういうことをやったんで、どう受け止められたんかっていうのは僕はよく分からなかったんですけど、楽しんでたお客さんがいたっていうのは事実ですね。

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『魂のゆくえ』の初回盤には「謎の板」と称されるカードが付属。Webサイトにアクセスするとクエストが提示された。雑誌と連動したり、現実の場所に行かなければ解けなかったりと、多くの人を巻き込んだARGを展開し話題となった。

 

──当時のくるりはバンドの方向性にしろ、プロモーションにしろ、いろんなことをやってみようっていう時期だったんですか?

というよりも、宝探しやARGは個人的な思いとして、京都で頑張ってた加藤さんに輝いてほしかった……っていうと上からみたいな物言いになりますけど、そういう思いはありましたね。彼から、いろいろ悩みごとも聞いてた気がするんですよ。リアル脱出ゲームのような、だれもやってなかったであろうことに取り組まれて、それがうまくいくかどうかっていうのも分からへん中でやられて、でもマスのレベルではまだ認知されてない状態やったと思うんですよね。ただ現場でお客さんが盛り上がっている、だからこれは楽しいんだっていうエネルギーが彼から伝わってきたのは覚えていますね。

──コンテンツ自体というよりも、加藤隆生をかっていたというか、彼がやるから面白いはずだと。

僕の場合はそうです。謎解き自体に僕がかかわったわけではなくて、彼との個人同士の会話の中で出てきたものがコラボレーションになっていったので。ちょうどリアル脱出ゲームを始めるくらいにコミュニケーションをとっていたんで、成功してよかったなっていう気持ちではいました。

──以前、岸田さんが「加藤隆生はライバル」とツイートされていて、それって最高の褒め言葉だと思うんですけど、あれはどういう意図で書かれたんですか?

うれしがるやろなと思って(笑)。当時、彼からよくライバル視されてたんですよ。それはミュージシャンとしてだと思うんですけど。でもそれって、すごくいい感覚やなと思って。彼に限っては、そういうのがまっすぐなモチベーションになるんやろなと。よく言うてはったけど、昔モテへんかったってこととか、ミュージシャンとしてくすぶってたこととか、そういうのを覆すときにネガティビティを使うわけじゃなくて、人を喜ばせる、びっくりさせることに転化してバランスを取っている。自分自身もそうありたいですけど、僕はかなわない。
そりゃあ音楽では彼には負けないですよ、全然。でも、プロデューサーとしての感覚であったり、キュレーターとしての感覚であったり、コンセプトメーカーとしての感覚はすごくて、当時の彼の活躍を見ていると、めきめきと木が潤って、芽がふいている感じはしましたね。
それは、僕にとっても勇気づけられることなんですよ。たまたま音楽のイベントを一緒にやっていたっていう意味においては、ちょっとした盟友の感覚はありますし、そういう人が今までやっていた音楽とは違うことで、ゼロから成功するっていうのは気持ちがいいものです。だから、あのときは「ライバル」っていう言い方をしましたけど、あれは僕なりの応援なんですよね。

──岸田さんはくすぶってた時期ってあるんですか?

今とかくすぶってますよ、どちらかというと(笑)。いやでも、いろんな人たちと同じように、うまく行く時期と行かない時期はあります。

──それはどうやって乗り切るんですか?

それは乗り切るしかないし、乗り切れないときは乗り切れないし。常に頑張らなあかんけど、頑張っても結果が出ないときもあるんで……「結果を出すために頑張ってるわけではない」と自分に言い聞かせながらやるしかないですね。

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どうすればいいかは、お客さんが全部正直に教えてくれる

──かつてフリーペーパーSCRAP誌上で加藤と対談されていて、そこで、「アイデアは退屈からしか生まれない」とお話されていました。非常に面白い話でしたが、これは今でも思いますか?

このとき「退屈」っていう言い方をしてたのは、アホみたいに忙しくて、自分のプライベートな時間が全くなかった時期だからだと思うんですよね。今、僕がそれを言い換えると、「余裕があるかないか」。余裕があり過ぎるとダラダラするんですけど、余裕に若干ののりしろがある状態だと、アイデアが健康的に出てきやすいと思うんです。何か新しいことを試すのは、余裕があるときじゃないとっていう感覚はあります。

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フリーペーパーSCRAP 31号(2009年)「アイデアはどこからやってくるのか」特集にて、岸田繁×加藤隆生対談が掲載された。同じ特集にはタナカカツキさん、上田誠さんといったクリエイターの記事もあった。

 

──じゃあ今は意識的に余裕を持つようにしている?

今思うのは、年もとりましたし、経験則に基づいてうまくいくやり方をチョイスできるようにはなってきたんで……うまくいくっていうのは自分の中で勝手にルールづけをしてるだけなんですけど……決まった時間に集中したりとか、「こういうときはこれしか考えない」とか、そういう整理を自分の中でやるようにはしています。

──リアル脱出ゲームは今年10周年ですが、くるりは20周年を越えています。先輩として、アドバイスをいただけないでしょうか?

さっきの対談で言ってることとつながるんですけど、結局追い込まれないことじゃないですかね。追い込まれるとしぼんでいくように僕は思うんで、逆に追い込むくらいの速度感で先を見るっていうか。例えば過去のことって、思い出とか実際形になったまま残るから、想像しやすい。でも未来に残りうることって想像しにくいですし、考え過ぎても良くないこともあります。
僕自身できていないですけど、こうありたいなって思ってるのは……例えば1カ月後、あるいは1年後、3年後、5年後、10年後っていう、いくつかのイメージを持っておくこと。そうすれば「10年後にもしこういうことをしてるとしたら、3年後どういうことをしておくべきか」とかが想像しやすい。そういう視点はある程度持っていた方がいいと思いますね。

──岸田さんは曲を作るだけじゃなくて、先を見越して、例えばどのタイミングでリリースするとか、どういう風に売っていこうとかをよく考えますか?

考えますね。生き急いで、先ばかり向いてるときっていうのは、自分の作った作品でさえ軽く追い越して、お客さんの二歩以上先に行ってしまってることがあるんですよ。あるいは逆に在庫処分セールみたいなことを過剰にやってしまうと、お客さんの後ろを歩いてしまうこともあるし。全部そういうことはお客さんが正直に教えてくれる。そういうことやと僕は思ってるんですよね。

──ちょうどいいのはお客さんのちょっと先?

そうだと思うんですよ、ビジネスの話で言うと。でも、ビジネスのために音楽をやってるのかって言うと、答えはNOなので。やってることの中で何がビジネスになるかというところを考えていますね。

 

■岸田繁Profile
1976年京都府生まれ。1996年にロックバンド・くるりを結成。ボーカル、ギター。作詞作曲の多くを手掛け、多彩な音楽性で数々の名曲をコンスタントに発表。映画のサントラ制作、CMやアーティストへの楽曲提供も行う。2016年4月より京都精華大学の客員教授に就任。また、京都市交響楽団からの依頼を受け、およそ1年半をかけて本格的なオーケストラ作品を完成。広上淳一指揮、京都市交響楽団演奏のもと、同年12月に世界初演を果たす。2017年5月24日にCDリリース決定!
http://www.quruli.net
http://www.shigerukishida.com

※本インタビューは再構成した上でSCRAP出版より2017年6月発売予定の『リアル脱出ゲーム10周年記念本(タイトル未定)』にも掲載します。お楽しみに!

(2017年3月22日収録:インタビュー&構成/大塚正美、撮影/佐藤哲郎)

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