ホラー作家“梨”さんとのコラボ体験型展示&選書診断『おしまい展』体験レポート
公開日:2025/06/11
2025年5月23日(金)から5月25日(日)の3日間、東京秋葉原の書泉ブックタワーさんとの共催で「体験型展示&選書診断『おしまい展』」を開催しました!
こちらはホラー作家の梨さんとSCRAPのコラボ書籍『5分間リアル脱出ゲーム おしまい』の出版を記念した企画。
開催前、梨さんご本人のX(Twitter)でも告知いただいたところ……
【おしらせ】
期間限定イベント「おしまい展」を開催します・電気を消す
・学校のチャイムを鳴らす
・███に判を押す
・██████で██をぐちゃぐちゃにする
・人の顔に███を███
・████のボタンを押すなど、様々な「おしまい」を体験できます
▼チケットhttps://t.co/EJGqidTwVO pic.twitter.com/0vVhLaHcjH
— 梨.psd (@pear0001sub) May 16, 2025
バズった……!
この影響か、土日の前売券/当日券はともに即完売、配布終了。
3日間で1,500人もの来場者数を記録しました。
あらゆる「おしまい」を疑似体験
というわけで、筆者も行ってきました。
会場には参加者みずからの手で物語を「おしまい」にする11のアイテムがずらりと並んでいます。
身近なもので言えば、「7:迷子のおしまい」。
百貨店やスーパーで耳にすることの多い「ピンポンパンポ〜ン♪」のメロディを実際に奏でることができます。
作品解説によれば、これにて迷子がおしまい……ではなく、「ふらりといなくなった親への信頼を『おしまい』に」することができたそうです。
ほかにも、離婚届に判を押す「25:夫婦のおしまい」や……
もう話すことのない人との会話を終わらせる、「24:関係性のおしまい」も。
できれば経験したくない「おしまい」ばかり……。
しかし我々が避けては通れない「おしまい」、つまりは死に関するものもありました。
こちらは「42:おしまいの蝋燭」。蝋燭に火をつけて、この世にいない誰かの未練を「おしまい」にします。
なかでも物議(?)をかもしていたのは、罪人を裁く処刑台「38:償いのおしまい」。
3人で同時にボタンを押すと、「ガタン!」というイヤ〜な音が鳴り響きます。
軽い悲鳴も上がるブースでしたが、男女4人で来ていた若者からは「わー、死んじゃった〜」とあっさりした反応も。思わず筆者もニヤリとしてしまいました。
何てポップでキッチュなんだ……。
そしてブースの最後には、参加者が書き込めるボードが設置されていました。
大小さまざまな「おしまいにしたいこと」でびっしり埋まっています。
ちなみに筆者の「おしまいにしたいこと」は「寝る前のスマホ」。神社に絵馬をかけるような気持ちで貼りました。
オリジナル「選書診断」で、既刊本の売り切れ続出
実は今回の企画、展示のほかに、もう1つあったのです。
その名も、「おしまい診断」。
フローチャートに沿っていくつかの質問に答えていくと、自分の「おしまいタイプ」が判明。タイプごとに本をおすすめする、選書コーナーです。
本のピックアップには梨さんのほか、会場をお借りした書泉ブックタワーさんも全面協力。
全部で8つの「おしまいタイプ」が用意されていました。
①嫌なおしまいを求めるタイプ
②怖いおしまいを求めるタイプ
③きれいなおしまいを求めるタイプ
④かわいいおしまいを求めるタイプ
⑤ウケるおしまいを求めるタイプ
⑥エロいおしまいを求めるタイプ
⑦明日からすぐ使えるおしまいを求めるタイプ
⑧おしまいにしたくないタイプ
結果、各タイプで売り切れが続出。3日間で、何と300冊以上もの書籍が旅立っていきました。
書泉ブックタワーさんで開かれる出版イベントの場合、既刊本は売れてもせいぜい1日に3冊程度なんだそう。今回はそれを超える売り上げだったといいます。
もちろん、新刊本も!
とはいえ今回の主役本は、あくまで梨さんの新刊『5分間リアル脱出ゲーム おしまい』。
簡単にあらすじを申しますと、「さまざまな状況下で困っている人たちを、謎解きで助ける」というものなんですが……。物語が進むにつれ、単なる「人助け」ではないことが明らかになるという、考察好きにはたまらない謎解き本です。
こちら新刊は、3日間で450冊の売上を記録。終了後、梨さんご本人にも振り返っていただいたのですが……
「完全に想定外でした!」
と、梨さんご本人も驚きの結果に。
大盛況のうちに幕を閉じました。
……ところで、お気付きでしょうか。
先ほどご紹介した展示品に、奇妙な番号が振られていたことを。
7:迷子のおしまい
24:関係性のおしまい
25:夫婦のおしまい
38:償いのおしまい
42:おしまいの蝋燭
これ、単なる通し番号ではありません。ではいったい何を意味しているのか……ぜひ「考察」してみてください。
執筆:差詰レオニー