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リアル脱出ゲームを深く知る10人の関係者インタビューvol.4 デザイナー・石井正信

あっと驚くデザインでリアル脱出ゲームの世界を広げる職人

#10周年 #カイブツ #リアル脱出ゲーム #関係者インタビュー

公開日:2017/03/24

リアル脱出ゲーム10周年記念企画として、これまで支えていただいた方々に取材を続けているこの記事。早くも4回目となりました。今回登場するのは、カイブツ社のデザイナーの石井正信さん。メインビジュアルから謎解きキットまで、職人芸的なこだわりのデザインでリアル脱出ゲームの世界を広げてくれているお方です。ひんやりした倉庫ビル内のカイブツ社アトリエにて話を伺いました。

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自分がデザインしたもので大人が熱狂する体験は今までなかった

──まずSCRAPとの出会いからお聞かせください。

2010年に「ONE PIECE 2億冊突破記念キャンペーン」で作った謎解きゲームをSCRAPが担当していて、その仕事でかかわったのが一番最初ですね。僕はSCRAPと直接やり取りする機会はなかったんですが、そのとき加藤(隆生/SCRAP代表)さんと木谷(友亮氏/カイブツ代表)が仲良くなったのか、エヴァンゲリオンとのコラボ『ある使徒からの脱出(2011年)』のビジュアルを依頼していただいて、僕としてはそれが最初にがっつりかかわった仕事です。メインビジュアルは木谷が作って、僕はキットや封筒のデザインを担当させてもらいました。勝手がわからずかなり大変でした。でもこんな珍しい経験は最初で最後だろうから、楽しんでやろう!と深く考えずにいました。まさかこんなにご一緒できるとは思ってませんでした(笑)。

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富士急ハイランド全体を使って行われた公演。左がメインビジュアル、右がキットの一部だったマップ。

 

──謎解きのデザインはかなり特殊なオーダーだったと思うんですけど、それに対してはどう感じましたか?

最初、どこまでやるとデザインで、どこからが謎になるか分からなかったんですよ。デザインをこだわりたいんですけど、それが変なミスリードを生むんじゃないかっていう不安はあった気がします。一番びっくりしたのは……キットを作るときにしっかりした図面を渡されるのかと思ってたら、「この辺を折り曲げるか線を引っ張るかするして、文字をつなぐと答えが出てくるようにしてください」って発注されたこと。そこ、委ねられるのか!と(笑)。結構度肝を抜かされました。今までの仕事とあまりにも違ったので、面白いのと、大変なのとごちゃごちゃでしたね。ただ、実際に担当した公演を見に行くと、自分がデザインしたもので大勢の大人が異常に熱狂している!というなかなか味わえない体験ができました。

──その後、石井さんがデザインを担当された公演は?

『ある使途からの脱出』のあとは、『月面基地からの脱出(2012年)』、『ある廃病院からの脱出(2012年)』、それから『ある城塞都市からの脱出(2014年)』、『摩天楼からの脱出(2013年)』から続く名探偵コナンとのコラボ……いろいろやってますね。

──一番思い入れのあるデザインはどれですか?

『ある廃病院からの脱出』が一番“やった感”がありますね。会場の中の看板とかも作り込んだんですよ。塩ビのボードを買ってきて、それにスプレーで文字を書いたり、貼る紙を全部一回コーヒーにつけてぐちゃぐちゃにして、廃病院に合う感じにしたりとか、そういう美術的なこともやったので。グラフィックも思い出深い。素材が全然なかったんですよ。会場で撮ってきてもらった廊下の写真くらいしか使うものがなかった。でもそのラフな感じが廃病院感があるなと思って、その上に缶スプレーで描いたロゴを配置して作ったんです。今でも気に入ってるビジュアルができて満足してます。

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バイオハザードとのコラボイベント。初演は初台の玉井病院だった。5月14日(日)までリバイバル公演が後楽園ヒミツキチオブスクラップにて開催中。

 

──では一番大変だった仕事は?

本家リアル脱出ゲームではないですが、REGAMEが一番しんどかったです。特に1回目の『ホーンテッドハウスからの脱出(2012年)』が。REGAMEサイトから、告知グラフィック、ゲームサイト、ゲームまで全部デザインを担当して、僕の仕事史上でもかなり大変な部類に入ります。そして本番、現場でサーバートラブルがあって……ご迷惑をおかけしてすいませんでした。2回目の『サイレントキューブからの脱出(2012年)』では会社に実際にセットを立て込んで動画の撮影をしたりとか、『新・人狼村からの脱出(2013年)』では実際にジオラマを作ったりと、REGAMEはいつも意気込んで取り組みましたね。

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人形を使いファンタジックに演出された名作ゲーム。今年、全国でリバイバル公演が開催。

 

──REGAMEを作っていたときって、どんなテンションだったんですか?

世界同時にネットでゲームをするというのは実際なかなか難しいんです。みんな持っているPCのスペックも違えばネット環境も違う。なので僕も含めて、内部の実制作の人間はヒリヒリしていました。当時の自分ができるすべてを出したというのがREGAMEでした。

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リアル脱出ゲームの一番ベーシックなデザインメソッドがあるんです

──メインビジュアルだけをお願いしたものもありますよね?

今はほとんどメインビジュアルだけで、キットも担当するのは少ないですね。キットといえば、前に担当した『オリエント急行からの脱出(2014年)』の小さいキットが大変でした。列車の中の風景を実際に作って写真に撮って、それを合成していくという……メインビジュアルじゃなくて、キットの1つだけど凝り始めちゃって、ディレクターのうぉーりー(西澤匠/SCRAP)とも「大変だね」って言い合いながら作っていたのを覚えています。

──リアル脱出ゲームのビジュアルを作るに当たって、意識していることはありますか?

実は「SCRAPメソッド」というものがありまして……最初の『ある使徒からの脱出』からそうなんですけど、コピーが真ん中にあって、タイトルが横にどーんと入るっていうのが、リアル脱出ゲームの一番ベーシックなデザインメソッドなんです。別のデザイン案も出してみるんですけど、結局は「SCRAPメソッド」に決まりやすい。SCRAPの理念を突き詰めていくと、この形が1つの正解なのかなと思っています。

161220shingeki_w660_10th『巨人に包囲された古城からの脱出(2016年)』も「SCRAPメソッド」が忠実に守られたデザイン。リピーター限定公演が全国8都市にて4月に開催。

 

──石井さんにはデザインだけではなく、絵を描いていただいた仕事もあります。『仕立て屋シャルロッテの秘密(2015年)』だったり、最近だと『夜の魔王城からの脱出(2016年)』だったり。

絵の発注に関しては、どうなんだろう(笑)。いや、めちゃくちゃありがたいんですけど、僕の絵のでいいのかなって不安はあります。『夜の魔王城からの脱出』はビジュアルのせいで、チケットが売れなかったら申し訳ないなって思いつつ、でももう描いちゃったし、売れてください!って思ってます(笑)。

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精緻な手描き絵と落ち着いた色合いが印象的なビジュアル。今年は静岡、広島、東京の各遊園地で開催。

 

──あの精密な絵はどうやって描いてるんですか?

ミリペンでこつこつ描いてます。ビジュアルは、それらをコラージュして使うんです。SCRAPの場合は一枚絵にすると、汎用性が減ってしまうので。ただ、コラボものと比べると、やっぱり自分で絵を描くのはドキドキしますね。

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『夜の魔王城からの脱出』の原画たち。ちなみにキャラクターの最初のイメージは「ドラゴンボール」のセルとのこと。

ヒリヒリ感を10年続けてこられたのは本当にすごいと思います

──最初の『ある使徒からの脱出』から6年近く経ちますが、この6年でリアル脱出ゲームに対する印象は変わりましたか?

リアル脱出ゲームはブームが過ぎ去ることなく、ずっと人気があり続けていて、ほんとすごいなって思います。何度も担当させてもらっているコナンの公演でも、よく同じお題でこんないろんな話や謎が作れるもんだなって。あと、謎ができる前に公演日が決まってチケットを売るじゃないですか。ヒリヒリ感がだいぶありますよね(笑)。その感じで10年続けてこられたのは本当にすごいですよね。

──今後リアル脱出ゲームはどうなっていくと思いますか?

REGAMEもそうですけど、『不思議な晩餐会へようこそ(2016年)』のプロジェクションマッピングとか、いろんな最新の技術を組み合わせながら変わっていったりするのかな……と思いつつ、でも根源にあるゲームの面白さは、謎が解けたうれしさと、脱出成功して「どうだ!」って自慢できるあの満足感だと思うんです。結局シンプルなところがブレずにあるから、続いていくんでしょうね。そういう意味では文化になっているというか、グラフィックだけやらせてもらった『地下謎への招待状(2014年~2016年)』でも、駅のベンチに座って謎解きしている人が他の人に変な目で見られることもなく、普通に「ああ謎解きしてるな」って思われている。そのくらい浸透していますよね。こんな不思議な遊びを根付かせるって、すごいことだって思います。

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東京メトロを使った謎解き街歩きゲーム。言われてみればこちらも王道の「SCRAPメソッド」が適用されている。

 

──最後に、こんなときだからこそ、SCRAPの人間に言っておきたいことってありますか?

うーん……寝てください!仕事もほどほどに!ですかね(笑)。

 

■石井正信profile
いしいまさのぶ/1985年生まれ。静岡県沼津市出身。日本大学芸術学部デザイン学科コミュニケーションデザインコース卒業。2010年より株式会社カイブツに所属し、『進撃の巨人展』のポスターデザイン、平野啓一郎著『マチネの終わりに』の毎日新聞連載時の挿絵や単行本デザインなどを手掛ける。さまざまな日本近代文学をテーマにした一枚絵を展示した初の個展『literature』が、3月26日(日)まで、東京・末広町のギャラリー3331にて開催中。

※本インタビューは再構成した上でSCRAP出版より2017年6月発売予定の『リアル脱出ゲーム10周年記念本(タイトル未定)』にも掲載します。お楽しみに!

(2017年3月17日収録:インタビュー&構成/熊崎真敬、大塚正美、撮影/佐藤哲郎)

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